第7ゲーム 身体能力
「続いて、第六ゲームへご案内いたします」
次の扉が開く。
そこに広がっていたのは、広大な立体フィールドだった。
高い壁。
巨大な段差。
細い足場。
動く床。
突然閉じる扉。
そして、あちこちに設置された光るゲート。
「第六ゲームは、身体能力競技でございます」
スタッフが説明する。
「制限時間内にフィールドを突破し、最終地点へ到達していただきます」
「なるほど」
マドカがフィールドを見る。
「走ればいいんだね!」
「単純な競走ではございません」
「障害物?」
「はい。跳躍、回避、壁走り、バランス、反応速度など、様々な能力が必要となります」
「誰が出る?」
クリスティーナがみんなを見る。
一瞬の沈黙。
「……誰でもよくない?」
マドカが言った。
「うん~」
ニコラが頷く。
「じゃあ、くじ引きでもする?」
「私は別に誰でも構いませんわ」
アリシアが笑う。
「私も」
ナナリーも手を挙げる。
「なら――」
スタッフが少し困ったように尋ねる。
「どなたが参加されますか?」
「私でいいよ!」
マドカが手を挙げた。
「じゃあマドカで」
フィールドへ入る。
スタッフがスタート地点を指す。
「それでは、開始――」
ピィーッ!
開始の合図。
マドカが走り出した。
最初の壁。
跳ぶ。
一瞬で越える。
次の動く床。
軽く踏み替える。
細い足場。
そのまま駆け抜ける。
巨大な壁。
「よっ!」
ジャンプ。
壁を蹴る。
そのまま上へ。
「え?」
観客席から声が漏れる。
「今、壁走った?」
マドカはそのまま走り続ける。
さらに複数の障害物。
全部、ほとんど止まらない。
「速っ!」
「もう半分終わってるぞ!」
EVのコメント欄も盛り上がる。
『知ってたw』
『身体能力勝負でマドカ出したらそりゃそうなるw』
『誰が出ても勝てるって言ってたしな』
『というかこのゲーム、エキドナ誰出してもクリアしそうw』
最後の巨大な壁。
マドカは一度も減速せず、そのまま飛び越えた。
ゴール。
「到達!」
スタッフが時間を見る。
「……歴代最高記録です」
「やった!」
マドカが振り返る。
「簡単だったよ?」
「…………」
スタッフが無言になる。
『スタッフ放心w』
『身体能力ゲーム終了w』
『これで第六も終わりかよw』
「でも、せっかくだし――」
マドカが振り返る。
「みんなもやってみる?」
「いいね~」
ニコラが手を挙げる。
「私もやる~」
「では、特別に――」
スタッフが困惑しながらフィールドを再設定する。
次にニコラが挑戦。
スタート。
「よいしょ~」
ゆっくり走る。
壁。
ぴょん。
動く床。
てくてく。
細い足場。
普通に歩く。
最後。
「着いた~」
「……」
スタッフが時間を確認する。
「ニコラ様も、規定時間内です」
「わ~い」
『ニコラまでw』
『速くないのに余裕でクリアしてるの笑うw』
『身体能力じゃなくて身体能力の基準がおかしい』
「次、私も!」
ナナリーが走り出す。
「行くよ!」
軽快に障害物を抜けていく。
アリシアも続く。
「私だって!」
さらにクリスティーナ。
「せっかくですから、私も挑戦してみましょう」
結果。
「全員クリアです」
スタッフが疲れた顔で告げた。
マドカが笑う。
「ほらね!」
『誰でも勝てるって本当だったw』
『第六ゲーム、エキドナが遊んで終わったw』
『カジノ側もっと難しいの用意しろw』
スタッフは次の扉を開く。
「それでは――第七ゲームへご案内いたします」
「次は頭脳戦かな?」
リゼットが静かに笑った。




