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落内円は落ちている  作者: 七風


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第4ゲーム 魔法

「それでは――第四ゲームへご案内いたします」


扉の向こうへ入った瞬間。


凄まじい魔力が、会場全体を満たしていた。


広大な魔法競技場。


空中には巨大な魔法陣がいくつも浮かび、地上には魔力を測定するための装置が並んでいる。


「第四ゲームは、魔法競技でございます」


スタッフが説明する。


「威力、精度、速度、制御、応用――複数の項目を総合して得点を競っていただきます」


「じゃあ――」


マドカがリゼットを見る。


「お姉ちゃんの出番だね!」


「そうね」


リゼットはいつもの調子で舞台へ向かう。


「参加者はリゼット様お一人でよろしいでしょうか?」


「はい」


リゼットが答える。


「では、開始いたします」


最初の競技は、威力。


巨大な標的がいくつも並ぶ。


「魔法を一発、お願いいたします」


「分かったわ」


リゼットが杖を掲げる。


小さな魔法陣が一つ。


そして――


ドォォォォン!!


一撃。


巨大な標的が跡形もなく吹き飛んだ。


測定装置が激しく揺れる。


『測定不能』


会場が静まり返る。


「……」


スタッフが表示を確認する。


「規定値を大幅に超えています」


マドカが笑う。


「まあ、お姉ちゃんだしね」


次は精度。


遠く離れた場所に、極小の標的がいくつも出現する。


「すべて同時に破壊してください」


「ええ」


リゼットが指を向ける。


一瞬。


無数の光が走った。


すべての標的が同時に消える。


一つも外れていない。


「全標的、命中」


『え?』


『今の全部同時!?』


『リゼット無双始まったw』


次は速度。


「制限時間内に、指定された魔法を順番に発動してください」


「こんなものかしら」


リゼットが次々と魔法を発動する。


火。


水。


風。


土。


雷。


氷。


光。


闇。


指定された順番通りに、すべて正確に発動。


制限時間の半分も残っている。


『早すぎるw』


『詠唱してる?』


『してないように見えるんだがw』


そして制御。


巨大な魔法球を、決められた範囲内で維持する競技。


「これなら簡単ね」


巨大な魔力の塊が出現する。


しかし、それはまったく暴れない。


リゼットの周囲で静かに浮かんでいる。


さらに――


球の大きさが変化する。


小さく。


大きく。


細く。


平たく。


形状まで自由自在に変わっていく。


「……」


スタッフが言葉を失う。


「規定範囲内です」


最後は応用。


「これまでの魔法を自由に組み合わせ、課題を達成してください」


課題として、巨大な立体構造物が出現する。


「破壊せずに、内部にある目標だけを取り出してください」


リゼットは少し考える。


「なるほど」


杖を一振り。


構造物には傷一つ付かない。


なのに、内部にあった目標だけがふわりと浮き上がり、リゼットの手元へ移動した。


「以上でございます」


会場が静まり返る。


スタッフが採点結果を確認する。


何度も確認する。


そして――


「……全項目、最高評価です」


大歓声が起きた。


『でしょうねw』


『リゼットに魔法競技やらせたらこうなる』


『相手いなくてよかったなw』


『これゲームなの?』


『魔法大会の優勝者が見たら泣くぞw』


マドカも嬉しそうに手を振る。


「さすがお姉ちゃん!」


クリスティーナも笑う。


「これは無双ですわね」


リゼットは少しだけ困ったように笑った。


「もう少し難しいものを用意してもよかったんじゃないかしら」


スタッフが苦笑する。


「こちらとしても、まさか全項目を最高評価で突破されるとは……」


「そう?」


リゼットは首を傾げる。


「普通だと思うけれど」


シルヴァは観客席から、その一部始終を見ていた。


「…………」


眼鏡を押し上げる。


「やはり……」


そして、思わず笑った。


「この人たちは、本当に底が見えない……!」


スタッフが一礼する。


「第四ゲーム、完全勝利でございます」


リゼットは静かに舞台を降りた。


「では、次へ行きましょうか」


「うん!」


マドカが元気よく答える。


次の扉が開く。


そこからは――


今までとはまったく違う、複雑な機械音が聞こえてきた。


「次はニコラの番だね!」


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