お母さん 和の国へ同行を決める
「マドカちゃん、次は和の国に行くのね?」
「え!お母さん、知ってるの?」
「ええ。正式に国交は結んでいませんけど、報告は結構ありますよ?」
クリスティーナはいつもの笑顔で答える。
「私も何回か視察に向かいましたけど」
「それ、早く言ってほしかったのだけど?!」
「まあ?」
クリスティーナが首を傾げる。
「何かお目当てでも?」
「私って別の世界の記憶あるのお母さんも知ってるよね?」
「ええ、もちろん」
クリスティーナは頷く。
「でも、生まれ変わりなんて本当にあるのねぇ」
「うん。私の世界だった人たちが、異世界転移したか転生したかわかんないけど、ぽつぽつと現れてるみたいなんだよ」
「まあ……」
「そこに、慣れ親しんだ食材があるって聞いてね!」
マドカが楽しそうに言う。
「まあ!」
クリスティーナの目が少し輝く。
「またエキドナのお料理がおいしくなるのね?」
「そう!」
マドカが頷く。
「お母さんが和の国のこと知ってたなら、早く聞けばよかったよ!」
「でも和の国自体、マドカちゃんはチヨさんとナツメちゃんが来るまで知らなかったのでしょう?」
「……そうだけど」
「聞きようがないと思うのだけど」
「確かにそうだけど……」
マドカは少し考える。
「でも、他にも手に入れたいのいっぱいありそうなんだよねー」
「あら?」
クリスティーナが微笑む。
「どんなものが?」
「ナツメとチヨさんの着てる服!」
マドカが即答する。
「和装っていうみたいだけど、あの生地を仕入れたいんだよね!」
「ああ、あれですね」
クリスティーナは頷く。
「あれでお揃いのドレスでも仕立てませんか?」
「いいね!」
マドカが笑う。
「またお母さんが目立っちゃうね!」
「ふふ」
クリスティーナも楽しそうに笑った。
そして少し考える。
「じゃあマドカちゃん、私も和の国に行きましょうか」
「え?」
マドカが驚く。
「お母さん、仕事忙しくないの?」
「大丈夫ですわ」
クリスティーナはにこりと笑う。
「どうせマドカちゃんたちのことだから、転移陣を繋げるのでしょう?」
「そうだけどさ」
マドカが少し考える。
「船旅みたいだし、酔いそうじゃない?」
「ふふ」
クリスティーナが笑う。
「いい?」
少しだけいたずらっぽく微笑む。
「マドカちゃん」
「うん?」
「私は行かない」
「え?」
「繋いだら呼んでくださいませ」
「ええ!」
マドカが目を丸くする。
「ずるじゃん!」
クリスティーナは楽しそうに笑っている。
どうやら。
和の国へ行くことになったのは、マドカたちだけではないらしい。




