↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
落内円は落ちている  作者: 七風


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
328/592

姉妹 エキドナへ

「リゼット様!」


エキドナの屋敷に入るなり、ムサシが声を上げた。


「あなた、また弟子を増やすの?」


リゼットが呆れたようにムサシを見る。


「まだ弟子とは決まっておりません。ですが、候補ではありますぞ」


ムサシがそう言うと、後ろにいた二人の少女が一歩前に出た。


「和の民のチヨと申します」


「妹のナツメです」


二人がそれぞれ頭を下げる。


「よろしくお願いします」


「よろしく」


リゼットが二人を見る。


「なるほどね。二人ともかなり強そうだけど……ムサシ、今度はどういう経緯なの?」


「ギルドへ登録に行ったところ、面白いことになりましてな」


ムサシが先ほどの出来事を話し始める。


和の国には冒険者ギルドがなく、修行の旅に出た者が外の世界で実力を示すには、冒険者ギルドへの登録が一番分かりやすい。


だが、登録した二人のランクはF。


実力とはあまりにもかけ離れた結果だった。


「それで、登録する前にヒロバトで二人の実力を見ていたのです」


「なるほど」


リゼットが頷く。


「十分に強い。ワシの弟子候補として連れてきても問題ないと思いましてな」


「そういうことね」


その横で、チヨが少し考えてから口を開く。


「……ここで、修行を?」


「そうだな。ダンジョンにも行けるぞ」


「ダンジョン……」


チヨは少し考える。


「……強くなれそう」


「エキドナなら、ダンジョンで取った素材も買い取ってくれる」


ガイルが説明すると、ナツメが反応した。


「じゃあ、ギルドに登録しなくてもいいの?」


「そういうこと」


「それならこっちの方がいいじゃん」


ナツメがあっさり言う。


チヨも少し考えてから頷いた。


「……うん。私も、その方がいいかも」


ムサシが満足そうに頷く。


「では、決まりですな」


「部屋なら用意できるわよ」


リゼットが言う。


「本当ですか?」


ナツメの顔が明るくなる。


「ええ。しばらくエキドナで暮らせばいいわ」


「ありがとうございます!」


チヨも頭を下げる。


「……ありがとうございます」


「ただし、タダで泊めるつもりはありませんぞ」


ムサシが持ってきた素材を取り出す。


「ダンジョンの素材を納めます。二人の装備を作るための素材も集めてまいりますぞ」


リゼットが素材を見る。


「これ、宿代には多すぎるわよ」


「そうでしょうな」


「だったら、装備に使いましょう。二人とも、今の装備だけじゃもったいないでしょう?」


ナツメが目を輝かせる。


「専用の装備、作ってもらえるの?」


「ええ。グレタやニコラにも相談してみましょう」


チヨは自分の腰にある刀へ視線を落とす。


「……私の刀も?」


「もちろん」


「……私の刀……相談できるといいけど……」


ムサシが笑う。


「そこは心配いらんぞ。エキドナには腕のいい職人が揃っておるからな」


その時だった。


屋敷の奥から、マドカがこちらへやってくる。


「お姉ちゃん、誰か来てるの?」


「マドカ。ちょうどいいところに来たわ」


リゼットが二人を紹介する。


「こちらはチヨとナツメ。ムサシの弟子候補よ」


「こんにちは!」


マドカが二人を見る。


「初めまして。マドカ・ノイティスです。よろしくね、チヨさん、ナツメさん」


「よろしくお願いします、マドカちゃん」


ナツメがすぐに返す。


一方、チヨはマドカをじっと見ている。


少し考えてから、ぽつりと呟いた。


「……マドカ殿」


「うん?」


「……かわいい……」


「え?」


マドカが目を丸くする。


ナツメが吹き出した。


「姉様、いきなりそれ?」


「……そういうのでは……ない……」


チヨは少し顔を赤くしながら答える。


「でも、ずっと見てるじゃん」


「……」


チヨは否定せず、もう一度マドカを見る。


マドカが笑った。


「チヨさん、なんかかわいいね」


「……っ」


チヨの顔がさらに赤くなる。


「ほら、完全に気に入ってる」


「ナツメ……」


「なに?」


「……なんでもない」


ムサシがその様子を見て笑う。


「まあ、仲良くなれそうで何よりですな」


「そうだね!」


マドカも嬉しそうに頷く。


「せっかくだし、二人の装備も見てもらううよ!」


「装備?」


ナツメが反応する。


「うん。グレタ、ニコラ、カトリーヌに相談してみよう」


「そんなに職人がいるの?」


「いるよ。グレタは武器とか防具、ニコラは魔道具や機械関係。カトリーヌは服とかね」


「へえ……」


ナツメが自分の弓を見る。


「私の弓も強くできるかな」


「もちろん。今の形を活かす方法もあると思うよ」


チヨは自分の刀を見る。


「……これは、変えたくない」


「うん」


マドカはすぐに頷いた。


「じゃあ、それを前提に考えよう。エキドナって、そういうの得意だから」


「……ありがとう」


チヨが小さく頭を下げる。


「まずはグレタから!」


マドカが二人を連れて歩き出す。


ナツメもすぐについていく。


「姉様、行くよ」


「……うん」


チヨも少し遅れて歩き出した


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。