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落内円は落ちている  作者: 七風


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王城配信

 王城。


 クリスティーナとマドカは、国王トロイの執務室を訪れていた。


「それで、今日はどうしたんだ?」


 トロイが二人を見る。


「マドカちゃんのことで、ご報告がありますの」


 クリスティーナが隣のマドカを見る。


「私、マドカちゃんを養女として迎えましたの」


「そうか」


 トロイは少し驚いたようにマドカを見る。


「では、これからは私の姉上の娘ということになるわけだな」


「うん」


 マドカが頷く。


「お母さんが迎えてくれた!」


「そういうことですわ」


 クリスティーナが微笑む。


「なるほどな」


 トロイは納得したように頷いた。


「それなら、改めて歓迎しよう。これからもよろしく頼む」


「こちらこそ、よろしくお願いします」


 マドカが頭を下げる。


 しばらく三人で話していると――。


「……ねえ」


 クリスティーナが、ふと思いついたように口を開いた。


「これ、配信したら面白くないかしら?」


「配信?」


 マドカが振り返る。


「ええ」


 クリスティーナは楽しそうに笑う。


「せっかくマドカちゃんが私の娘になったのですもの。国王陛下にも正式にご挨拶した、という話題は皆さんも気になるでしょう?」


「それは面白そう!」


 マドカがすぐに乗った。


「ね、王様?」


「私も?」


 トロイが少し驚く。


「ええ。陛下はガブリエルの配信もよくご覧になっているでしょう?」


「……」


 トロイが少し考える。


「まあ……構わないが」


「やった!」


 マドカが笑う。


「では、ビアンチさんを呼びましょうか」


「準備が早いな……」


「エキドナですもの」


 クリスティーナが微笑んだ。


     ◆


 それからしばらくして。


 王の執務室に配信用の機材が用意された。


「では、始めますね!」


 ビアンチがカメラを確認する。


「本日は特別配信です!」


 画面の向こうへ、クリスティーナ、マドカ、そして国王トロイの姿が映し出される。


『!?』


『王様!?』


『クリスティーナ様とマドカちゃんまでいる!』


『何の組み合わせだよw』


『まさか王城から配信!?』


「今日は急な配信だが、楽しんでいってくれ」


『王様が普通に配信してるw』


『思ったより慣れてる?』


『ガブちゃんの影響か?』


「今日は、まずご報告がありますの」


 クリスティーナがカメラへ向かって微笑む。


「私、マドカちゃんを正式に養女として迎えましたのは皆さんご存じでしょう?今日は、そのご報告を兼ねて国王陛下へご挨拶に伺ったのですわ」


「私の姉上が養母になった、という報告に来たということだ。そしていきなり配信したら面白いのでは?とな。」


『姉上!?』


『王様とクリスティーナ様って姉弟なのか!』


『そこから!?』


「それで――」


 クリスティーナが楽しそうにカメラを見る。


「せっかくですから、今日は質問を受け付けようと思いますの」


「質問?」


 トロイが聞き返す。


「ええ。私達三人に聞きたいことがあれば、どうぞ」


「それはいいね!」


 マドカが手を振る。


「何でも聞いていいよー!」


『何でも!?』


『王様にも質問していいの?』


『聞きたいこと多すぎるw』


『マドカちゃん、養女になった経緯聞きたい!』


『王様、エキドナのことどう思ってる?』


『クリスティーナ様、娘になったマドカちゃんどうですか?』


「ずいぶん質問が来ていますわね」


 クリスティーナがコメント欄を眺める。


「では、最初の質問から参りましょうか」


「うん!」


 マドカが嬉しそうに頷く。


 トロイも画面を覗き込んだ。


「私にも答えられるものなら答えよう」


『王様きた!』


『質問タイム開始!』


 こうして――。


 クリスティーナ、マドカ、そして国王トロイによる、初めての特別配信が始まった。


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