↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
落内円は落ちている  作者: 七風


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
280/557

モンブラン

「普通の人間なら、そんなことをしていたら死ぬでしょうね」


 リゼットがそう話していた時だった。


「ただいまー!」


 屋敷の奥から声が聞こえてくる。


「あら」


 リゼットが振り返る。


「帰ってきたわね」


 マドカが部屋へ入ってくる。


「お姉ちゃん、試作のお菓子作ったから持ってきた!」


 手にした箱をテーブルへ置く。


「まっ!今日は何ですの?」


 ガブリエルが覗き込む。


「ん。モンブラン」


「ほう」


 ムサシが興味深そうに箱を見る。


 マドカはそこで、見慣れない老人と、その隣にいるガイルへ視線を向けた。


「……誰?」


「剣聖のムサシよ」


 リゼットが答える。


「ほう」


 ムサシはマドカをじっと見る。


 ヒロバトの幻影で何度も見た姿。


 そして、先ほどまでリゼットから聞いていた少女。


「そうか」


 ムサシが笑う。


「お主がマドカか」


「うん。私がマドカ ワシは剣聖ムサシ リゼット様の過去の同僚だ。よろしく頼む。」


 マドカも特に気にした様子はない。


「へぇ~ お姉ちゃんボッチじゃなかったんだね!で剣聖様?ムサシ様?」


「あなたって子は失礼ね。少しはいたわよ。あんまり興味ある人間はいなかったけど、ムサシはまともな人間よ。」


「リゼット様にそういわれるとむずがゆいですな。マドカよ。ムサシでよいよ」


「じゃあムサシ」


「うむ」


 あっさり呼び捨てにされ、ムサシはむしろ嬉しそうに笑った。


「さて……」


 そしてテーブルの上のモンブランを見る。


「これは?」


「モンブランっていうお菓子。試作だから、食べてみてよ」


「よろしいのか?」


「うん。感想ほしいし」


 ムサシは一つ手に取ると、口へ運ぶ。


「……!」


 目が見開かれる。


「うまい!」


「ほんと?」


「これはうまい!ガイルもいただけ!」


 ムサシは嬉しそうにもう一口食べる。


「これは何とも美味しいですね!」


「ん?あなたはー?」


「師 ムサシの弟子のガイルです。マドカちゃんよくEVで見ているよ。」


「へへっ!よろしくー!」


「モンブラン……モンブラン……これは栗か?」


 ムサシはその名を覚えるように呟いた。


「うんうん!今秋だしねー、よかったー気に入ってもらえて!」


 マドカは満足そうに笑う。


 そんな二人を見ながら、リゼットが小さく笑った。


「ずいぶん自然に馴染んだわね」


「美味いものを出されて、警戒する理由もありますまい」


「ふふ ゴールに来てからずっと観光でした。もちろん甘い物メインで」


 ガイルが呆れたように呟いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。