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落内円は落ちている  作者: 七風


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ナナリーの新作衣装

「皆さーん! こんにちはー!」


色欲教会の情報塔、その配信用スペース。


画面の前で、ナナリーがいつものように手を振っている。


『ナナリー様ー!』

『今日もかわいい!』

『待ってました!』

『今日は何の配信?』


「今日はですね!」


ナナリーが少し得意げに胸を張る。


「次のライブ衣装を、皆さんと一緒に決めたいと思います!」


『おおお!』

『衣装!?』

『新衣装きた!』

『楽しみ!』


「実は、色欲教会にたくさんのデザイン応募がありまして。その中から、候補が三着まで絞られたんですよ」


隣では、マネリーが三枚のデザイン画を持って立っている。


「はい! どれも素晴らしい作品です!」


「マネリー、今日はよろしくね」


「お任せください、ナナリー様!」


マネリーはいつも通り、ものすごく気合が入っている。


『マネリーさんもいる!』

『この二人の組み合わせ好き』

『マネリーさん今日も聖女様大好きそう』


「では、一着目からです!」


マネリーがデザイン画を掲げる。


「こちら!」


ナナリーが覗き込む。


「おおー、かわいい!」


チェック柄を取り入れたスカートに、動きやすさを考えたブラウス。


色欲教のシンボルもさりげなく入っている。


「今までのライブ衣装の雰囲気も残しつつ、新しい感じですね」


「はい。聖女様が実際に踊られることを考えて、動きやすさも重視されています!」


「いいですね」


『かわいい!』

『これ好き』

『ナナリーに似合いそう』


「じゃあ、実際に着てみましょうか!」


ナナリーが試着室へ向かう。


しばらくして。


「どうですかー?」


着替え終えたナナリーが出てくる。


「おおー!」


マネリーが目を輝かせる。


「素晴らしいです! やはり聖女様にはこちらが!」


「ふふっ。かわいいですね、これ」


ナナリーが軽く動いてみる。


「うん、踊りやすい」


『似合ってる!』

『一着目かなり好き』

『ステージで見たい』


「これは候補に入れておきましょう!」


ナナリーが試着室へ戻る。


「では二着目です!」


二着目は、少し雰囲気が変わっていた。


舞台映えを意識した華やかなデザインで、動いたときに衣装が綺麗に広がるようになっている。


ナナリーが試着して戻ってくる。


「わあ……!」


「いかがでしょう!」


「これ、ライブで踊ったら綺麗そう!」


ナナリーがその場でくるりと回る。


衣装がふわりと広がった。


『おおお!』

『ステージ映えしそう』

『二番もいいな』

『これはライブ向き』


「私、これ好きかも」


「私もです!」


マネリーが即答する。


「聖女様の舞を最大限に引き立てる衣装だと思います!」


「マネリーは何でも褒めるじゃん」


「聖女様ですから!」


「そういうところだよ……」


ナナリーが笑う。


そして最後の一着。


マネリーがデザイン画を取り出す。


「では、三着目です」


「どれどれ……」


ナナリーが見る。


「…………」


少し沈黙。


「……マネリー」


「はい!」


「これ」


「はい!」


「水着じゃないですか!」


『www』

『いきなりw』

『三着目どうした』

『ナナリー様のツッコミw』


「いえ、正確にはライブ用にデザインされたステージウェアです!」


「どう見ても水着!」


「ですが、デザインとしては非常に優秀です!」


「そういう問題!?」


マネリーは真剣そのものだった。


「動きやすく、舞台上での視認性も高く、色欲教のシンボルも美しく配置されています!」


「うーん……」


ナナリーはデザイン画をもう一度見る。


「……かわいいんだよね」


マネリーの顔がぱっと明るくなる。


「ですよね!」


「でも、これはライブでは着ません!」


『www』

『即決』

『ですよねー』

『でもかわいいらしい』


「……ただ」


ナナリーが少し考える。


「これ、あとで私にくれません?」


「もちろんです!」


マネリーが即答した。


「え?」


「聖女様がお気に召されたのであれば、ぜひ!」


「じゃあプライベート用に欲しいです」


「承知しました!」


『まさかの私服採用』

『ライブじゃないんだw』

『ナナリー様お気に入り』

『マネリーさん嬉しそう』


「マネリー、仕事が早いなぁ……」


「聖女様のご希望ですから!」


「そこは本当にありがたいけど」


ナナリーが苦笑する。


「というわけで、三着全部試してみました!」


画面の横に三つのデザインが並べられる。


「ここからは皆さんにも選んでもらいましょう!」


『一番!』

『二番!』

『三番!』

『全部かわいい』

『悩む』

『二番がライブ向き!』

『一番がナナリーらしい!』


「では、投票開始です!」


ナナリーがカメラに向かって笑う。


「次のライブで着る衣装、皆さんはどれがいいですか?」


マネリーも隣で大きく頷く。


「皆様、聖女様に最も似合うと思うものへ、ぜひ投票してください!」


『了解!』

『投票する!』

『次のライブ楽しみ!』

『どれになるんだ!?』


「結果は後日、発表しますね!」


ナナリーが手を振る。


「それじゃあ今日はここまで!」


「ありがとうございました、聖女様!」


「マネリー、まだ終わってないよ」


「はっ!」


「そこまでかしこまらなくてもいいってば」


色欲教会の情報塔に、二人の笑い声が響いた。


次のライブ衣装を決める投票は、その日のうちから大きな盛り上がりを見せていた。


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