ガブちゃん ちょっときょどる
「そういえば!」
ガブリエルが、何かを思い出したように顔を上げる。
「皆様、情報塔の広告をご覧になりました?」
『見たよ』
『モンバトとヒロバトのやつ?』
『あれかっこよかった』
「そうですわ!」
ガブリエルが嬉しそうに頷く。
「あれ、すごく格好よかったですわよね!」
『ガブちゃんも見た?』
「もちろんですわ!」
「わたくし、情報塔を見て初めて知りましたもの!」
『初めて?』
『ガブちゃん知らなかったの?』
「知りませんでしたわ!」
ガブリエルは本当に驚いたような顔をする。
「まさか、あんなものが作られているなんて!」
『あんなものってw』
『グッズだよw』
「だって!」
ガブリエルが興奮気味に画面を指差す。
「モンバトとヒロバトの幻影が一緒に描かれているんですのよ!?」
「格好よすぎませんこと!?」
『確かに』
『デザインいいよな』
「わたくし、見た瞬間に予約しましたわ!」
『はやっ』
『王女様さすが』
『もう予約したのかよw』
「当然ですわ!」
ガブリエルは胸を張る。
「こんな素敵なもの、買わない理由がありますの?」
『コレクター魂』
『モンバト部部長』
「しかも!」
ガブリエルがさらに身を乗り出す。
「この二つが並んでいるところが素晴らしいんですの!」
「モンバトとヒロバト!」
「まさに――」
「リンクですわね!」
『あ』
『リンクって言った』
『その言葉聞くと前回思い出すw』
『ガブちゃん大丈夫?』
「……?」
ガブリエルはコメント欄を見る。
「何ですの?」
『いや』
『なんでもない』
『続けて』
「?」
ガブリエルは首を傾げる。
「とにかく、作品同士がこうして繋がるのは素晴らしいことですわ!」
『作品同士』
『ゲームとしてリンクするって意味じゃないよな?』
『コラボってこと?』
「もちろん、こういうグッズで一緒になるのも立派な繋がりですわ!」
ガブリエルはにこにこしている。
「わたくし、こういう企画、大好きですの!」
『なるほど』
『まあ確かにコラボだな』
『ガブちゃん嬉しそう』
「それにしても……」
ガブリエルは改めて広告を思い出す。
「わたくし、本当に何も知りませんでしたわ」
『へえ』
「情報塔を見て、初めて知ったんですの!」
『そんなに?』
「はい!」
ガブリエルは力強く頷く。
「『え!? 何ですのこれ!?』ってなりましたもの!」
『www』
「しかも、このクオリティ!」
ガブリエルの目が輝く。
「素晴らしいですわー!」
「誰がこんなものを考えたんですの!?」
『知らないの?』
「知りませんわ!」
『本当に?』
「本当ですわ!」
『ガブちゃん詳しそうなのに』
「わたくしはただのモンバトファンですもの!」
『ただの王女様』
『ただの大会準優勝者』
「そこは関係ありませんわ!」
ガブリエルが抗議する。
「わたくしは広告を見て驚いて、グッズを見て興奮して、予約しただけですわ!」
『それなら安心』
『普通のファンだった』
『予約済みw』
「ええ!」
ガブリエルは満面の笑みを浮かべる。
「届くのが楽しみですわ~!」
『ガブちゃん楽しそう』
『こういう配信好き』
『復帰してから平和だな』
「もちろんですわ!」
ガブリエルは胸を張る。
「今日は平和な配信ですもの!」
『前回は?』
「…………」
ほんの一瞬。
ガブリエルの笑顔が止まった。
『ん?』
『今の間』
「……何でもありませんわ!」
『www』
「では次の話題ですわ!」
ガブリエルは勢いよく話を切り替えた。
それ以上、余計なことは何も言わなかった。
少なくとも。
今回は。




