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――情報塔。
街中の情報塔に、大きな広告が流れていた。
『重大発表!』
『ヒロバト販売開始まで、あと二ヶ月!』
ヒロバトのカードや端末が画面を彩る。
そして――。
『それを記念して、モンバト&ヒロバトのグッズ販売決定!』
画面いっぱいに、一枚の大きなイラストが表示された。
エキドナのメンバーが、モンバトのモンスターたちと一緒に戦っている。
さらにフィギュア、アクリルスタンド、クリアファイル、缶バッジなど、様々なグッズが紹介されていく。
『今、二つの世界がリンクした』
大きく表示されたキャッチコピー。
広告はそのまま次の商品紹介へ移っていった。
――場所は変わり。
いつの間にか街にできていた、とある店。
モンバトのファンが集まり、対戦を楽しむための店。
通称、バトルカフェ。
店内では何組もの客がモンバトを楽しんでいた。
そこに、店内の情報塔から先ほどの広告が流れる。
「……おい」
一人が画面を見上げる。
「あの広告」
「ん?」
「ガブちゃんって、あれのこと言ってたのか?」
「……ああ」
別の客も思い出したように顔を上げる。
「前に配信で言ってたやつか?」
「『ヒロバトとも遊べるかも』ってやつ?」
「そうそう」
「でも、あの時ニコラ博士が否定してただろ?」
「否定っていうか……」
「『しらないよぉ~』しか言ってなかったぞ」
「それ否定になってないんだよなぁ」
「じゃあ、やっぱり本当だったのか?」
店内が少しずつざわつき始める。
「いや、今回の発表はグッズだろ?」
「そうなんだよな」
「『二つの世界がリンクした』って言ってるけど、データ連携とは一言も言ってない」
「でもガブちゃんが言ってたのも『リンク』だろ?」
「……偶然?」
「偶然にしてはタイミング良すぎないか?」
「ヒロバト発売まであと二ヶ月って発表まで来たぞ」
「うーん……」
誰かが広告に映っているフィギュアを見る。
「それより、このフィギュア欲しくない?」
「欲しい」
「エキドナのメンバーとモンバトのモンスターが一緒にいるの、普通にいいな」
「これ、限定なのか?」
「描き下ろしって書いてあるぞ」
「じゃあ買うわ」
「俺も」
話題が少しずつグッズのほうへ流れていく。
だが、一人だけまだ気になっているらしい。
「でもさ……」
「ん?」
「ガブちゃん、あの時なんて言ってたっけ?」
「『ヒロバトとも遊べるかも』だろ?」
「そう。それでニコラ博士が『しらないよぉ~』って」
「……」
「……」
「なんか、やっぱり怪しくないか?」
「考えすぎだろ」
「そうかなぁ」
再び情報塔を見る。
『今、二つの世界がリンクした』
「……まあ」
モンバトのプレイヤーが笑う。
「少なくとも、嘘は言ってないな」
「グッズでリンクしてるからな」
「ガブちゃん、これ見たらどういう顔するんだろ」
「たぶん――」
店内の何人かが、同時に笑った。
「『私が言ってたのこれじゃありませんわ!』って言うんじゃないか?」
「言いそうだな」
バトルカフェには、そんな笑い声が広がっていた。




