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落内円は落ちている  作者: 七風


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ガブちゃん初配信

「皆様、ごきげんようですわー!」


配信画面に、満面の笑みを浮かべたガブリエルが映る。


「怠惰の国の第二王女、ガブリエルですわ!」


『きたー!』


『ガブちゃんだ!』


『初配信おめでとう!』


『待ってた!』


『ついに解禁されたか』


「ええ、ついにですわ!」


ガブリエルは嬉しそうに頷く。


「わたくし、ずーっと配信したかったんですのよ?」


『知ってる』


『待ってた』


『でも禁止されてたんだよね?』


「そうですの!」


途端にガブリエルの表情が少し不満げになる。


「マドカたちに、ずっと言われていましたの」


『何て?』


「わたくしが配信すると事故る、と」


『www』


『言われてて草』


『理由は?』


「そこですわ!」


ガブリエルが身を乗り出す。


「なぜなんですの!?」


『いや知らんw』


『本人に聞いてる』


『心当たりないの?』


「ありませんわ!」


きっぱりと言い切る。


「わたくし、何も悪いことなどしておりませんもの!」


『本当に?』


『初配信で事故りそう』


『もう若干怪しい』


「失礼ですわ!」


ガブリエルが頬を膨らませる。


「ですから、今日はこうして皆様にわたくしの素晴らしい配信者としての才能をお見せしますの!」


『素晴らしい才能』


『自分で言ったw』


『事故の予感』


「……何ですの、その反応は」


『期待してます』


『楽しみ』


『事故っても見る』


「事故りませんわ!」


ガブリエルは胸を張った。


「では、改めまして!」


気を取り直して、にっこり笑う。


「怠惰の国の第二王女、ガブリエルですわ!」


『知ってる!』


『自己紹介きた』


「趣味はモンバトですの!」


『大会見たよ!』


『感謝祭のモンバト大会!』


『めっちゃ強かった』


『王女とは思えない戦い方』


「まあ!」


ガブリエルが嬉しそうに笑う。


「ご覧になってくださった方もいらっしゃるんですのね!」


『見た見た』


『あれ面白かった』


『普通に上手かった』


『趣味ってレベルじゃない』


「ふふん。当然ですわ!」


得意げに胸を張る。


「モンバトはわたくしの大切な趣味ですもの。感謝祭の大会をご覧になった方なら、わたくしの実力はご存じですわね!」


『また大会出て』


『次は配信でやって』


『モンバト配信見たい』


「もちろん、そのうちやりますわ!」


『おお!』


『楽しみ』


『今日やらないの?』


「今日は初配信ですもの。まずは皆様とお話しするところからですわ!」


『質問コーナー?』


『質問していい?』


『何でも答える?』


「ええ!」


ガブリエルはすぐに頷いた。


「今日は質問を受け付けますわ!」


『好きな食べ物!』


『好きなカードは?』


『普段何してる?』


『王女ってどんな生活?』


『好きなモンバトのカードは?』


「では、順番に――」


ガブリエルがコメント欄を覗き込む。


「まずは好きな食べ物ですわね」


『何?』


『ケーキ?』


『高級料理?』


「甘いものは好きですわよ」


『やっぱり』


『何が一番?』


「そうですわねぇ……」


少し考える。


「最近だと、エキドナで出していただいたものも好きですわ」


『エキドナw』


『またエキドナ』


『何食べたの?』


「いろいろですわよ?」


『具体的に』


『いろいろとは』


『そこを聞いてる』


「……」


ガブリエルがコメント欄をじっと見る。


「皆様、食べ物の話になると妙に細かくありませんこと?」


『配信者だから答えて』


『逃げるな』


「逃げてませんわ!」


ガブリエルは笑いながら、次の質問へ移る。


「ではこちら。普段何をしているのか?」


『そうそう』


『王女の日常気になる』


「普通ですわよ?」


『普通とは』


『王女の普通』


「起きて、食事をして、モンバトをして、お仕事があればして……」


『モンバトしてるw』


『一日の中にモンバトが必ずある』


「趣味ですもの!」


『どのくらいやるの?』


「……」


ガブリエルが少しだけ視線を逸らす。


『かなりやってる?』


『毎日?』


「……それなりにですわ」


『絶対めっちゃやってる』


『誤魔化した』


「誤魔化してませんわ!」


またコメント欄に笑いが広がる。


「次ですわ!」


『初配信なのにもう面白い』


『事故ってる?』


「事故ってませんわ!」


『本人だけ否定してる』


『マドカ達が正しかった説』


「……」


ガブリエルがコメント欄を見る。


「皆様、今日はわたくしの味方をしてくださると思っていたのですけれど?」


『味方だよ』


『だからこそ面白い』


『応援してる』


『事故も期待してる』


「最後の方だけおかしくありませんこと!?」


ガブリエルはぷくっと頬を膨らませる。


それでも、すぐに笑顔へ戻った。


「まあ、いいですわ!」


「せっかくの初配信ですもの。今日は皆様とたくさんお話ししますわよ!」


『やった』


『質問まだまだある』


『次はモンバトの話!』


『大会の裏話聞きたい!』


「それは面白そうですわね!」


ガブリエルが身を乗り出す。


「では、次は感謝祭の大会について――」


初配信は、まだ始まったばかりだった。


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