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「……?」
入ってきたアリシアは、部屋にいる全員の視線が自分に集まっていることに気づき、少しだけ首を傾げた。
「どうかしましたか?」
「いや……」
マドカが答えようとして、横を見る。
リゼットもアリシアを見ていた。
「ちょっと確認させてね」
「確認、ですか?」
「ええ」
リゼットはアリシアの前まで歩いていくと、じっと彼女を見つめた。
そして鑑定を行う。
「……あら」
「何かありました?」
アリシアが不思議そうに尋ねる。
リゼットは鑑定結果をもう一度確認してから、口を開いた。
「魅力が、上限まで振り切れてるわね」
「……え?」
アリシアが固まる。
「私が……ですか?」
「そうよ」
「何の話でしょう……?」
本気で分かっていないらしい。
リゼットは少し考えてから説明した。
「魅力っていうのは、相手を操るような能力じゃないわ。人から好かれやすいとか、自然と人の目を引くとか……そういう類のものね」
「なるほど……」
アリシアは自分のことなのに、どこか他人事のように聞いている。
その話を聞いていたナナリーが、ふとマドカとアリシアを見る。
「それなら……」
「?」
「やっぱり、アリシアさんも一緒にできるんじゃないでしょうか」
「一緒に?」
「はい」
ナナリーは二人を見ながら続けた。
「私と、マドカちゃんと、アリシアさん。三人で」
マドカの顔がぱっと明るくなる。
「三人組!」
「そういうことです」
「いいじゃん!」
即答だった。
アリシアだけが少し戸惑っている。
「ですが……私にできるのでしょうか?」
「そこはこれからですよ」
ナナリーが微笑む。
「私には歌と踊りの経験があります。マドカちゃんは身体能力が高いですし、アリシアさんには人を惹きつける魅力がある」
「……なるほど」
「三人でやってみる価値はあると思います」
リゼットも頷いた。
「最初から完璧じゃなくていいでしょう。やってみて、合わなければ考えればいいわ」
「そうですね」
アリシアは二人を見て、少しだけ考える。
やがて、柔らかく笑った。
「分かりました。私でよければ」
「やった!」
マドカが嬉しそうに声を上げる。
「それじゃあ、三人で頑張りましょう!」
「はい」
「よろしくお願いします」
こうして、三人組が結成された。
……ところで。
「それで、名前は?」
ナナリーが言った。
「名前?」
「三人で活動するなら、呼び名があったほうがいいでしょう?」
「あー」
マドカは腕を組んで考え始める。
「三人……三人……」
「何か思いつきましたか?」
「うん!」
しばらく考えた末、マドカが顔を上げた。
「トライアングル!」
「……」
「……」
「三角形、ですか?」
アリシアが確認する。
「うん! 三人だから!」
ナナリーは少し考えてから笑った。
「分かりやすいですね」
「私はいいと思います」
「じゃあ決定!」
こうして三人組の名前も、あっさりと決まった。
トライアングル。
「では、次は活動について決めていきましょうか」
「うん!」
「まずは何から始めるか、ですね」
「歌と踊りの練習は必要でしょうね」
三人は顔を見合わせる。
結成したばかりのトライアングル。
ここから、三人の活動が始まる。




