ゲンナイの本音
「……なあ」
ゲンナイが、少しだけ視線を落とした。
「初めはよ……お前らがダンジョンに来てくれて、マジで嬉しかったんだわ」
いつもの軽い口調とは、少し違っていた。
「動いてる人間を見るの、何年ぶりだったかな……千八百年ぶりくらいか?」
ゲンナイは苦笑する。
「いや、もっとかもしれねぇな。そんなことも分かんなくなるくらい、ずっと一人だったんだ」
少しだけ間を置いて、続ける。
「だからよ。お前らが来て、喋って、騒いで……マジで楽しかった」
「……ゲンナイ」
「でもよ」
ゲンナイは頭を掻いた。
「お前ら、ダンジョンをクリアしたら……もう来たくなさそうだったろ?」
「……」
「それ見てよ」
困ったように笑う。
「ちょっと……なんかよ。寂しかったんだ」
その言葉を口にしてから、ゲンナイは自分でも照れ臭そうに顔を背けた。
「だから、無理難題押し付けちまった」
「……」
「気づかなかっただろ?」
ゲンナイが苦笑する。
「いや……気づいてなかったよ」
「だろうな」
少しだけ笑う。
「俺も最初は、自分でもよく分かってなかったんだわ。ただ、もうちょっと一緒にいたくてよ」
そして、ぽつりと続ける。
「だから……嫌な奴に見えちまっただろうけど」
ゲンナイは一度言葉を止めた。
「俺、お前らに出会えて……ほんとに良かったと思ってる」
今度は誤魔化さなかった。
「こんなこと、今まで言えなかったけどよ」
照れ臭そうに笑う。
「俺、お前らといるの、好きだわ」
「……」
「楽しいんだよ」
そして、少しだけ笑って。
「だから……また来てくれ」
「うん」
「何度でも来いよ」
「うん」
「ダンジョンじゃなくてもいい。くだらねぇ話しに来るだけでもいいからよ」
マドカが笑う。
「じゃあ、また来るよ」
「……おう」
ゲンナイは、嬉しそうに笑った。
「待ってるわ」




