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落内円は落ちている  作者: 七風


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グレタの試練

「では、次の試練を開始します」


無機質な声が響く。


部屋の中央に、数体のゴブリンが現れた。


「……ゴブリン?」


ガレスが首を傾げる。


見たところ、特に変わったところはない。


「これを倒せばいいのか?」


ガレスが剣を構え、ゴブリンへ斬りかかった。


――ガキンッ!


剣がゴブリンの身体を捉える。


だが、ゴブリンは倒れない。


「……?」


ガレスがもう一度斬りつける。


それでも倒れない。


「なんだこいつ?」


セリナが矢を放つ。


矢が命中する。


しかし、それでもゴブリンは倒れなかった。


クロードも攻撃する。


ヴァルトも攻撃する。


それでも――倒れない。


「……おかしい」


クロードが眉をひそめる。


「攻撃は当たってる」


「なのに倒れない?」


ガレスがゴブリンを見る。


「俺たちの攻撃が弱いのか……?」


その言葉に、五人が黙る。


Sランクパーティー。


これまで数え切れないほどの魔物を倒してきた。


その自分たちが、ゴブリン一体を倒せない。


「……そんなわけないだろ」


ヴァルトが呟く。


そのとき、画面にグレタが映った。


腕を組み、こちらを見ている。


「ふん」


グレタが鼻を鳴らす。


「まぁまぁだな」


「グレタ!」


ガレスが叫ぶ。


「これ、どういうことだ!」


「ちゃんと見とけ!」


グレタはぶっきらぼうに言う。


「こいつらは、ある程度以上の威力じゃねぇと倒せねぇ」


「……なるほど」


クロードがゴブリンを見る。


「一定以上のダメージが必要なのか」


「そういうことだ」


グレタが頷く。


「ただ殴ってりゃ倒せると思ったら大間違いだ」


ガレスがミレイユを見る。


「ミレイユ、強化を頼む!」


「はい!」


ミレイユが魔法を使う。


仲間たちの身体に強化の魔法がかかる。


「これなら!」


ガレスが剣を振るう。


――ズバッ!


今度はゴブリンが吹き飛び、そのまま消えた。


「……倒せた」


セリナが呟く。


「やっぱりか」


クロードが頷く。


「攻撃力を上げれば倒せる」


「よし、残りもいくぞ!」


五人が一斉に動く。


強化された攻撃がゴブリンを次々と倒していく。


そして最後の一体が消えた。


『――試練クリア』


「よし!」


ガレスが拳を握る。


画面の中で、グレタが腕を組んだまま頷く。


「ふん。まぁまぁだな」


「まぁまぁって……」


ガレスが苦笑する。


「ちゃんと倒せたんだから、もうちょっと褒めてくれてもいいだろ!」


「調子に乗るな」


「厳しいな、おい!」


観覧室でも笑いが起こる。


マドカがグレタを見る。


「グレタ、楽しんでたでしょ?」


「……」


グレタが一瞬黙る。


「ふん」


それだけ言って、顔を逸らした。


「やっぱり」


マドカが笑う。


「うるせぇ」


グレタはそう言いながらも、少しだけ満足そうだった。


銀翼の前で、次の扉が開く。


「では、次の試練へ進んでください」


「……次は何だ?」


ガレスが扉を見る。


誰にも分からなかった。


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