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文通友達が大変そうなので、私、動きます!  作者: 池中織奈


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9/8 五話目 ※エピローグと同時投稿です。

「フルダーナス、その……ありがとう」



 一種のパフォーマンスのような、お父様とのやり取りの後……私はフルダーナスと一緒に居た。

 お父様達が気を遣ってくれてか、二人で話す場所を作ってくれた。……私がフルダーナスに好意を抱いたことに関しては、お父様達は内緒にしてくれていた。だからまだ、フルダーナスには伝わっていないはず。



「お礼は要らないよ。私がただヴィオが煩わしい噂で嫌な思いをしているのが嫌だっただけだから。ただ……私がこうして告げたことで既成事実のようなものになってしまったかもしれないが」



 ……こんな時でもフルダーナスは、私のことを考えてくれているんだなと嬉しかった。

 もっと自分勝手でもいいのに。私を手に入れるためにと強行したってかまわないのに。




「それは気にしなくていいわ。……というか、その、ね。私、フルダーナスに言いたいことがあるの」




 私は嬉しくなって笑いながら、そう言った。



 なんだか改めて凄く緊張するわね。フルダーナスはお父様の前でも私のことを思っていると口にしてくれていた。

 だからこれから私が告げる言葉は、ほとんど百パーセント受け入れられるだろう。

 それが分かっていてもこんなにも緊張しているのだから、やっぱりフルダーナスは凄いなと思った。

 だって断られるのが分かっていて私に求婚して、諦めもせずに私への好意を伝え続けていたのだもの。




「言いたいこと?」

「うん。……えっとね、この前もありがとう。私が魅了持ちだって知って驚いたでしょう?」

「驚いたけれど、ヴィオが人と距離を置いていた理由は分かった。魅了の力があるなんてこれまで大変だっただろう?」

「……そうね。大変なことは幾らでもあったわ。今は制御がきいているから問題はないけれど、制御出来るようになるまで色んなことがあったから。それに無理やり暴走させられるとあんな状況になるのだなとか、びっくりした」

「それはそうだろう。ただ無理やりヴィオの魅了を暴走させた奴が悪いから、何も気に病む必要はない」

「ふふっ、それはそうね。私もそう思っているわ。……私の魅了を受けて、身体に悪影響を受けてしまった人たちに関しては申し訳なく思っているけれど」



 フルダーナスは私に寄り添おうとしてくれている。私を甘やかしてくれようとしていて、優しい。




「ねぇ、フルダーナス。私ね、魅了の力が暴走した時にフルダーナスのことを思い浮かべたの。他でもないあなたにきてほしいって」

「それは光栄だな」



 フルダーナスは私の言葉を聞いて、嬉しそうな表情を浮かべている。フルダーナスがこうして微笑んでいるのを見るとそれだけで楽しい。

 フルダーナスも私の笑みを見るだけで同じように嬉しくなっていたりするんだろうか?




「あなたが私の魅了持ちという特性を知っても、受け入れてくれたことも凄く嬉しかった。魅了持ちだって知られたら、フルダーナスも引くかなと思っていたの」

「私を甘く見過ぎだろう」

「そうね。今はそう思うわ。フルダーナスはそのくらいで、私のことを嫌になったりしないって」

「というかその程度のことで離れていく男はかっこ悪いだろう。その程度の気持ちだったというだけだ」

「フルダーナスは、私に本気よね」

「本気じゃなかったら正式に求婚もしない」


 はっきりとそう言ってくれて、私は胸が温かくなった。



 ――そう言う人だから、私も好きだなと思ったのだ。フルダーナスがこうして私にまっすぐに気持ちを向けてくれて、諦めないでいてくれたから……私はフルダーナスを好きだなという好意を抱けた。

 そしてすぐに気持ちを返そうという気持ちになれた。




「ありがとう、嬉しい。フルダーナス、私もね、あなたのこと、好きだと思ったの」



 私がそう言ったら、フルダーナスが固まった。



 こんな風に彼が固まるのを見るのは初めてだ。ああ、おかしい。普段は余裕そうなのに、私の言葉一つでこんなになるのが楽しい。

 これからもっとフルダーナスの普段とは違う姿を見ることが出来るようになるのかな。

 それが楽しみになった。



「だから、求婚お受けするわ。フルダーナス、私と結婚してくれる?」



 固まったままのフルダーナスにそう告げたら、ようやくフルダーナスは私の言葉を理解したらしい。



「抱きしめても?」

「どうぞ」



 衝動的に私を抱きしめたくなったらしいフルダーナスの言葉に私は頷く。

 周りに侍女たちもいるから、間違いはないし、抱きしめられるぐらいは問題ない。恥ずかしいけれどね。



「口づけしても?」

「……別に、許可を取らずにやればいいじゃない。りょ、両想いなんだから」



 私がそう言ったら、フルダーナスは嬉しそうに笑って、私に口づけを落としてくれた。


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