↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
文通友達が大変そうなので、私、動きます!  作者: 池中織奈


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
98/100

97

9/8 四話目

 フルダーナスははっきりと、お父様や周りで見守っている貴族達に向かって言い放つ。

 一切の躊躇などなく、真っすぐだ。



「ははっ、それはその通りだ。我が娘はとても愛らしいからな」



 お父様も何を言っているの? 私は恥ずかしくなる。ただその恥ずかしさをなんとかごまかして平然とした振りをする。だってこんなに人が多いのだもの。



「そうですね。本当に愛らしいものです。この国では現在、ヴィオミーリナ殿下が魅了の力を持つと知って様々な噂がされているようですが、そのような戯言を言う方々は愚かにもほどがあるかと」



 フルダーナスはそう言って、この場に居る貴族や騎士達へと視線を向ける。

 びくりっと身体を震わせた者達は、実際に私の魅了のことで噂を流したりしている者達なのだろうと想像が出来る。

 ……それにしても愛らしいって、こんなところで躊躇なく言われるとそれはそれで照れるわ。





「ヴィオミーリナ殿下の持つ魅了の力はとても強いものです。それは明確な事実でありますが、ヴィオミーリナ殿下はそのようなものを使わなくても、十分に魅力的なのでそんなものを使う必要はありません」

「その通りだ。ヴィオミーリナは昔からそれはもう可愛らしかった」

「はい。その通りかと。そもそも魅了の力というのは扱いがそれはもう難しいものです。その力を悪用した先には破滅しかないでしょう。ヴィオミーリナ殿下は、聡明な方です。私と共著で出した魔法書もとても素晴らしいものだったことは明白です。自身の力をどのように使うべきか分かっている方です。だから噂されるように自身の目的のためにその力を悪用するということはしません。そもそも、魅了の力を使われるかもしれないなどと心配している方々は、自身に魅了をかけられるだけの価値があるとお思いですか?」




 ……何だか凄く喧嘩を売っているような発言をしていて、驚いてしまう。



 いや、まぁ、言っている通りではあるのだけど。魅了の力は使い勝手がそこまで良いものではない。

 魅了をかけたところで何かの拍子で魅了が解けてしまう可能性も高い。

 この力って万能では全くない。使うにしてもどの場面でどのように使うのかというのをきちんと確認した上で使わなければならないものだ。

 フルダーナスの言葉を聞いて、カッと顔を赤くしている者達がちらほらいる。




「それに異性を魅了して愉悦に浸っているのでは? などといった噂も流れていましたが」



 そんな噂流れていたんだ……とまた驚く。

 というか、私の耳に入っていないだけで、本当に酷い噂も出回っているんだろうな。



 ただ魅了を持っているというその一点のみで、そのような噂をしても問題がないとそう思われているのだろうから。

 本当に酷い話よね?

 オーロが悪妻として噂になっていた時もそうだけど、何かしらつついても問題がない要素があれば好き勝手言うものなのよね。



「そのようなものは必要はありません。だって、他でもない私がヴィオミーリナ殿下に求婚しているのですから。他の異性なんて必要ないでしょう」



 ……自信満々すぎない?

 恋は盲目というべきか、私はときめいてしまっているけれど! でも客観的に見ると凄いことを言っているわ。



 でもこういう言い回しを敢えてしているのも私に対する噂を払拭するためなんだろうな。

 フルダーナスという立場のある人間が、はっきりと否定をすることで黙らせようとしているのだと思う。



「もし何かしらの文句があるなら、幾らでも聞きますけれど?」



 挑発的な物言いをしているフルダーナス。お父様もお母様もリュン兄様も……他の家族全員が静観しているのを見るに、やっぱり事前に根回しした上でこのような場を設けているのだろうな。



「何もないということならば、これ以上ヴィオミーリナ殿下のことを煩わせるようなことはしないように。私が魅了のせいでヴィオミーリナ殿下に惹かれているだの、魅了の力を使うヴィオミーリナ殿下のことを疎んでいるだろうなどと憶測で話していた方々も多くいましたけれど、そんな事実は一切ありません。魅了抜きで、私はヴィオミーリナ殿下を愛していて、求婚しています。本気でなければ父君であるフルケーヘン王国の国王陛下の前でこのようなことは言わないので、納得してください」



 はっきりとそう言い切って、フルダーナスは笑っている。

 ……恥ずかしいけれど、嬉しい。



 だってフルダーナスはきっと本気だから。私はずっと、いずれフルダーナスが飽きて離れていくのではないかと思っていた。一時的に興味を持っただけだと。



 でもそうじゃなくて、ちゃんとフルダーナスは私との未来のことを考えてくれているんだ。

 そうじゃなかったら、このような場で大々的に私への気持ちを言い放ったりしないだろう。




 ……かっこいいな。

 私のためにこうして、敢えて言葉を紡いでくれているのだもの。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。