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文通友達が大変そうなので、私、動きます!  作者: 池中織奈


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「ソシエア王国の使者もやってくるパーティーか……」



 私は思わずと言ったように呟く。



 そう、今度パーティーが行われる予定になっている。あのオーロの元夫たちと接触しており、王宮内にも間者を忍び込ませていた国だ。




 ……お父様達は向こうが手出しをしてこないように交渉はきちんとしているようだ。

 向こうも向こうで、オーロの元夫がこちらで確保されていることや間者が捕まっていることは把握しているので大きな事件を起こしたりはしないはずだとそう判断されているらしい。





 まぁ、そうよね。

 そもそも国家間の問題をわざわざ起こそうとする人って余程の考えなしじゃなければいない。

 ……だって何か起こしたら、それこそ本格的な戦争などがおこったりする可能性があるのだから。





 ソシエア王国だって、わざわざフルケーヘン王国と事を構えることを望んでいるわけではないだろう。




 とはいえ、あれよね。

 国というのは、一枚岩ではない。様々な思考回路をしている人達が集まったのが国だ。

 フルケーヘン王国だって基本的にはお父様の決定に従う者ばかりだけれども、たまに反抗的な貴族も居る。こちらが望んでいない行動を起こす人は少なからずいるのだから。

 そう考えると本当に凄いわよね。



 お父様が貴族達を統制出来る方じゃなかったら、国内も荒れ果てていただろう。

 私だって自由に過ごすことなんてきっと出来なかったはず。本当にこの国に産まれて良かったと、私はそう思ってならない。



 今回のパーティーには私も参加することになっている。

 ……フルダーナスが私のことをエスコートしたいと申し出てくれた。私はそれもありだなと思って、許諾した。



 というか、ソシエア王国も来るのだから警戒はしておくべきなの。

 私の情報をなぜか調べているらしいし、もしかしたら望まぬ申し出でもしてくるかもしれない。



 オーロも給仕として、パーティーに参加して見守ってくれると言ってくれていた。

 私をパーティーに向かわせるのが心配だからって。和平交渉の時は一緒に来られなかった。でもパーティーの時ぐらいは、私のことを見守ろうとしてくれているんだと思う。



 お母様に交渉をして、パーティーで給仕が出来るようにしたらしい。

 オーロって交渉能力もとても高いわよね。やっぱりこんなに有能なオーロのことを悪妻呼ばわりしていた人たちのことは理解出来ないわ。




 パーティーの衣装はとても気合を入れて準備をしている。というか、私付きの侍女達はフルダーナスにエスコートされるからと、とても気合を入れているのだ。



 私が何だかんだ、少しずつフルダーナスに心を許してきていることが分かっているからだろうな。

 それに私のことを昔から知っている侍女達に関しては、私がこうやって誰かと仲良くしていることが嬉しいのだと思う。

 私はフルダーナスと過ごすことをとても楽しいと思ってはいる。



 ただ素直に求婚を受け入れないのは、やっぱり魅了の力があることが気にかかっているからだ。

 私の魅了の力。それはとても強いものだ。制御が出来ていなければ、無差別に周りの生物を魅了してしまう。それこそ、彼らの意思など無視して行動をさせてしまう。




 魅了の力は恐ろしいものだと、私が一番知っている。

 誰かと仲良くなることは、それだけ仲良くなった相手を魅了してしまう可能性が増してしまうということなのだ。

 ……私はそれもあって人と仲良くなることはやっぱり躊躇してしまう。

 人前に出ることを恐れてしまっていたのもそれが理由。……私が魅了持ちだって知ったら、離れていく人もそれはもう多いだろうな。誰だって無理やり、自分の感情を操作なんてされたくない。

 私と一緒に居ようとした気持ちも、魅了のせいではないのかってそう勘違いして嫌に思う人もきっといるはず。

 それにきっとあることないこと言われるだろう。私の築いてきたもの全てが、魅了によるものじゃないかってそう言う人もきっといる。

 私は、そうなんだろうなって知っている。

 魅了の力を持つことってそういうことなのだ。





 フルダーナスが知ったらどう思うんだろう、気にしないって笑い飛ばすのかな。



 ……うん、私、フルダーナスから距離を置かれたら悲しいなってそう思ってしまっている。

 共同で魔法書を出して、デートもして、初めて会った時から想像がつかないぐらい私はフルダーナスと仲良くなっている。

 向こうからグイグイ来てくれなかったら、すぐに諦めるのだったらこうはいかなかっただろうな。



「ヴィオミーリナ殿下、楽しそうですね」

「……そうね。パーティー、楽しみなの」



 何か起こるかもしれない不安はあるけれど、パーティーに対しては楽しみな感情の方が大きかった。


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