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研究機関で過ごす時間はそこまで長くなかった。
元々からそこまで長時間滞在する予定ではなかったので、そのまま一旦研究機関を後にすることになった。
ただ研究機関の職員たちは、私たちが去っていくときに引き留めてきた。もっと有意義な会話をしたかったらしい。
ただフルダーナスが「デート中だから」などといって断っていた。
普通、デートなんてものの際にこんなところに来ることはなかなかなかったりするらしく、驚いた顔をしていた。考えてみればおしゃれをした状況で研究機関にきたのだから、私が付き添いで来たと思われてもおかしくなかったのかもしれない。
「ヴィオ、楽しめたか?」
「ええ。とても楽しかったわ。こういう機関に来たのは初めてだったから新鮮だったの。フルダーナスはああいう場所にはよくいくの?」
「たまにな」
「そうなのね。あまり話したことない人とこうして話すと、なんだか新しい発見もあって楽しかった」
「……でも面倒な連中もいたな。ああいうのがいるとは調べてなかったから、すまない」
「大丈夫よ」
フルダーナスは少しだけ不快そうだった。
実力不足なのに立場だけを求める人に関しては、フルダーナスからしてみても不快なのだろう。気持ちはわかる。フルダーナスって実力がないのに偉そうな言動をしている人などを見たら、凄く冷たくしそうだな。
愛想笑いとかも必要だったらするのだろうけれど、必要でなければしなさそう。
「次は何処に行くの?」
「夕方になるまでは時間が空いているから、それまではどこ行きたい? カフェとか、図書館とか、どこでも行けるが」
そう問いかけられてどうしようかと少し悩む。正直どこに行っても楽しそうだなと思ったけれど、男性と二人で出かけるなんて初めてだからどういうところがいいのか分からない。
まぁ、フルダーナスの場合は私が選んだところならばどこだってついてきそうだけど。
でも私だけが楽しんでもどうかと思う。私はデートなんてするのは初めてのことではあるけれど、片方だけが楽しんでいるのもどうかと思うし。
私はフルダーナスにも楽しいと思ってほしいというのが本音だ。
とはいえ、私はまだまだフルダーナスのことをそこまで知らない。これだけ話していても知らないことが多い。
というか友人であるオーロについても知らない一面はまだまだあるだろう。もっとオーロとフルダーナスのことを知りたいな。
「そうね……。折角、デートなのだから普段は行かないところに行きたいかも……」
そう、ただお出かけするだけではなくてデートという名目なのだから普段良く訪れる場所よりも別の場所に行った方がいいかなとそう思えた。
「ヴィオはやっぱり可愛いな」
「……もう、何、突然?」
「私とのデートをそれだけ楽しんでくれているってことだろう? 恋人ではないけれど、恋人らしいこともしてくれるのか?」
「したいの?」
「もちろん。ヴィオが許してくれるなら」
「まぁ、余程恥ずかしいこととかじゃなければ……いいわよ」
フルダーナスは私がこのお出かけを楽しんでいることを喜んでいるらしい。それにしても恋人らしいことって何をするものなの?
私、そういうのはよく分からない。
そんな経験なんて全くないもの。小説などで読んだことがあるぐらい? それ以上の情報なんて持っていない。
「なんかお揃いのものでも買うか?」
「私とお揃い、欲しいの?」
私は驚いた。
私はオーロとは友情の証として同じものを着たりしていたし、それは嬉しいなと思っていた。
でもフルダーナスってお揃いとか、あんまり気にしないイメージだった。そういうの欲しがらないというかなんというか。
「まぁ、折角だから。お揃いじゃなかったとしても、記念に何か買えたらそれはそれで嬉しい」
案外、可愛いところあるんだなと思った。思わず私は笑ってしまう。
「じゃあ、何か買うとしましょう」
そういうものを購入したらフルダーナスは案外、大切にするのかもしれない。アクサセリーか何かだと常に身に着けようとするのだろうか。
それはそれで面白いだろうな。
……でもアクセサリーとかだと私は毎日身に着けることはあんまりないかも? うん。ちょっと恥ずかしいし、あんまりアクセサリーなど身に着けるのは好きってわけじゃない。
魔法研究の邪魔になりそうなものは嫌だしね。
となると別のものがいいんだろうか?
どうなんだろう?
折角だから何か買うのは問題ないとして、何を買った方がいいのかなとかそういうことを私は悩んでしまう。
フルダーナスはお揃いのものとしてどういったものを想定しているのだろうか? それに記念品とかも。
どういったものだと、後から邪魔になったりしないのか。その辺もちゃんと考えておかないとなと思う。
「一旦ぶらぶらして考える?」
「ああ」
そういうわけで一旦、お店を見て回ることにした。




