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文通友達が大変そうなので、私、動きます!  作者: 池中織奈


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8/21 二話目

 本を購入した後は、フルダーナスが連れて行ってくれたのは民間の魔法研究機関だった。こちらもフルダーナスが事前に話をつけてくれていたらしい。

 魔法に関する仕事は、何も王宮勤めの人達ばかりというわけではない。



 王宮に仕えることなく、魔法を本職としている人はそれはもう多くいる。

 王都は最先端の技術が集まる場所であるから、こういった魔法研究機関というのは幾つか存在している。




 その中で私たちが訪れたのは、民間の研究機関の中でも有名なところ。

 私も施設内に入るのは初めてだ。流石にここには、私たちの身分は正しく伝えてあるみたい。ただ向こうは私が魔法を研究しているとは知らないみたいで、どちらかというとフルダーナスが此処を訪れることを楽しみにしていたらしい。




 フルダーナスは、他国の人間とはいえ魔法師として名を馳せている存在だから、彼らにとっても特別なのだろうなと思う。

 やっぱりフルダーナスは、私よりもずっと凄いんだなと実感した。




 それはこれまで成し遂げてきたこともそうだし、魔法師としての実力もそう。私のことをただフルダーナスについてきただけだとそう思われてるのかもしれない。

 私の評価ってあくまで王族であることしか基本的にはなかったりする。それは私が外の世界との関わりをそこまでしてこなかったから。

 最近では停戦交渉に行ったり、パーティーに出たりなどは様々に行ってはいるけれどもそのくらい。

 貴族達の間では私の評価は上がっていたりするかもしれないけれど、平民達はそうではない。

 私の評価は、そこまでのものじゃないだろうな。





 ……うん、私、立派な王女にはなりたいかも。

 今更かもしれないけれど、王族として家族や周りにとって誇りだって思ってもらえるような私でいたい。

 だから研究機関では私が魔法をどれだけ知っているかというのを伝えるようにしていた。だって何も知らない小娘だと思われて話に入れないのは寂しい。




 フルダーナスも私が仲間外れになるのは、嫌そうにしているしね。フルダーナスって、私が蔑ろにされることを許さない。

 というか私と話している時と、他の人と話している時でやっぱり少し様子が違ったりする。




 この研究機関で働いている人達もフルダーナスが私に求婚していることは知っていたようだけど、本気だとはやっぱり思われていなかったようだ。だから驚いた様子をしていた。

 王宮の人達は、フルダーナスがどれだけ王宮に来ているか、私にどれくらいの頻度で会いに来ているかなども知っているけれど、他の人は違うもんね。




 ……フルダーナスは私が気持ちを受け入れていないから、それもあって大々的に外堀を埋めようとはしていないんだろうな。いや、外堀を埋めようという打算的な行動はしてはいるのだけど、でもあくまでそのくらい。ちゃんと私のことを考えてはくれているんだろうなとそれは実感する。

 だってやろうと思えば、私が断れないようにぐらいフルダーナスは出来る。





 あまり外に出なくて、限られた人たちとしか関わっていなくて、世間知らずで、だから抱え込もうと思えばすぐにどうにか出来ただろうにな。

 私はもしそんなことをされたら、フルダーナスと一緒に居ることを嫌になったりしてしまっただろうな。

 それが容易に想像出来た。人によっては強引に行動をされる方がいい場合もあるだろう。でも少なくとも私は反発も凄くしたとは思うから。




 研究機関の人達と魔法の話をすることもとても楽しかった。民間の研究機関だと、王宮の研究とはまた違う生活に紐づいた魔法の研究の方が多い。もちろん、戦闘面の研究もしているけれども。

 あとは商会と提携していて、国内外に便利な道具を広めたりとか、そういった働きもしているらしかった。

 この研究機関で働いている人の中で、王宮魔法師を目指している人もいるみたいだった。

 やっぱり王宮仕えになることって特別な意味を持つのだろうな。





 ……私に良くしたら王宮魔法師になれると思っているのかごまをする人達もちらほらいてそれには苦笑してしまった。

 私は王族の姫ではあるけれど、そんな人事権などはない。

 そもそも本人に実力もないのにそう言う立場になれるはずがない。世の中には実力も、その職種に対する必死さがなかったとしてもその立場になろうとする人が居るみたい。

 正直それって周りにも迷惑だからやめてほしいことだけど……。




 特に貴族などだとそう言う恥ずかしい人たちがいるらしい。我が国では、リュン兄様たちがきちんとしているからそう言うの少ないけれど。

 ただ国によっては賄賂などを理由に要職についている方とかそれなりにいたりもするそうだ。

 うん、そう言う人たちばかりだったら緊急時とかに大変なことになりそうだなと思った。




 ひとまず私に賄賂を渡してこようとした人に関しては断って、責任者の方に報告をしておいた。

 責任者の人は申し訳なさそうにしていた。



 本人からしてみれば、そんなことをするより王宮魔法師になれるようにもっと頑張ればいいのにという話なのだろう。

 私もそう思う。



 そういうことはあったものの、比較的楽しく過ごせた。あとフルダーナスも人によく囲まれていた。


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