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「どうしてオーロの元夫はそのような危険なことをしているんだ?」
「逆恨みだと思うわ。大人しくしてくれた方がずっといいのだけど……なんだか私が居なければこんな状況にならなかったって思っているみたい」
「……酷い思考だな。そんな理由でオーロを狙うなんて」
「本当に同感だわ。今、逃げ出した元夫たちのことの動向を探っているのだけど、まだ見つからなくて……」
オーロは困ったような様子でそう言った。
「しばらくの間は王都を歩かない方がいいだろう。この前の一件もあったわけだし」
「ええ。分かっているわ。ただ王都を歩くのは良い気晴らしだったのだけど……残念だわ」
オーロはそんなことを口にする。
「ねぇ、ルンジャー。時々、王宮に来ない?」
私はオーロとルンジャーの会話に割り込む。
特にオーロは狙われているので、王都を歩き回ることはしない方がいいだろう。それなら、ルンジャーの方がオーロの気晴らしのために王宮に着てくれたらいいなってそう思ったの。
「俺が、王宮に?」
「ええ。私としてもルンジャーに来てもらえた方が嬉しいわ。時々でいいから、私達の気晴らしに付き合ってもらえたら嬉しいなと思って」
「それなら……たまに王宮に来るようにする」
「ありがとう。そうしてくれると嬉しいわ」
私はそう言って笑った。だって普通に、嬉しいのだもの。こうして王宮の外で知り合った友人が会いに来てくれるっていってくれたんだから。
やっぱりオーロと仲良くなったことで私の世界って少しずつ広がっているのだと実感する。
オーロと直接会わなかったら――私はルンジャーと仲良くなろうとしなかっただろうな。酒場に行こうともしなかっただろうし、王都を歩こうともしなかったはず。だからこの縁ってオーロが繋いでくれたものなんだ。
そう思うと私は嬉しくなった。
「というか、ヴィオとオーロの立場を考えるとフルダーナスって……」
「最近停戦を結んだグザックデーダ王国の“白炎の魔法師”よ。最近、こちらによく来ているの」
「なるほど……。あの“白炎の魔法師”様だったのか。名前までは知らなかった。でも確かに……噂の通り、綺麗な顔立ちをしていたな」
「そうね。フルダーナスは綺麗よね」
私はルージャンの言葉にそう言って答える。ルンジャーは驚いた顔をしていた。
「どうしたの?」
「いや……フルダーナスのことを何だかんだヴィオは、認めているのだなと思って。この前会った時は中々靡いてくれないって話だっただろう?」
「……別に、フルダーナスが綺麗な顔立ちをしているのは本当のことだもの」
私はそう答えながら、何だか友人から面白そうな視線を向けられると少しだけ恥ずかしいなとそう思ってしまう。
「そうか。なら、これ以上は聞かないでおくよ」
ルンジャーは楽し気だ。
それはオーロだってそう。
うん、オーロも……私が何だかんだフルダーナスのことを気に入っては居ることは分かっているから。
それが恋愛感情であるかどうかは別にしても、一緒に魔法の研究をしたり、話したりすることを楽しんでいることも分かっているのだ。
その上で友人として二人とも私のことを見守ってくれている。……まぁ、恥ずかしいけれど嫌なわけじゃない。
「今日はフルダーナスは?」
「今日はこちらに来ていないわ。フルダーナスは他国の人間だから、いつも此処にいるわけじゃないから」
フルダーナスは忙しいのに、よく王宮にやってくる。だから王宮に居ることが当たり前のように思ってしまう。だけど、それって当たり前のことじゃない。
――フルダーナスが私に好意を抱いて求婚してくれているからこそ、今の関係がある。
そのことはちゃんと頭にはとどめておかないといけないな。だってその気持ちがなくなったら、私たちが関わることなんて無くなるのだから。
「そうなのか。それは残念だ。俺が王宮に赴く際にまた会えたらいいんだが」
「フルダーナスはしょっちゅうこちらに来ているからそのうち会えると思うわ。それにフルダーナスにもルンジャーが来る日はあらかじめ伝えておくから」
「そうしてくれると助かる」
それにしてもルンジャーは、フルダーナスの正体を正しく知っても相変わらずなのよね。
私やオーロに対する態度も変わらないし、そう言う相手と話せることは私にとっても有難い。
だって幾らこれまで通りがいいと言ったとしても、心の底では遠慮してしまったりもきっとするだろうから。
それから私達はお茶をしながら色んな話をした。とても楽しい時間だった。
ルンジャーと次の約束をして、そのまま帰っていった。




