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私は王族というのもあり、外に出ることはそこまで多くない。特にオーロの元夫が問題行動を起こしそうな今、ちょっと事情している。ただオーロに関しては、目立たないように道具を使った上で、外出することはたまにある。
もちろん、警戒はしている。
ただ必要なだけ護衛はついているけれども。
本当はオーロが王宮に残ったままの方が私は嬉しい。けれども、オーロが幾ら王宮での生活をしているとはいえ、当たり前の日常を送りながら王宮の外に出る必要はあったりする。それにオーロにとっては気晴らしなども必要だもの。
私は周りに世話をやかれながら王宮で過ごすことは特に苦はない。それは当たり前のことだから。ただオーロにとってはこの王宮での日々は落ち着かないのだろうな。
それに幾らオーロの元夫たちのことを警戒しなければならないにしても、そればかりを懸念して行動が起こせなくなるのはそれはそれでもったいないし。
――なのだけど、外出時に問題は起きたようだった。
帰ってきたオーロが、「今日、ならず者に襲われてルンジャーと同僚の方にも助けてもらったの」と報告してきた。
「王都内でそんなことが起こるなんて……」
「私もびっくりしたわ。人通りの良い場所だったし……よっぽどなりふり構っていられない状況になっているかも」
「そうよね。そもそも成功すると思ってやっているのかしら? そんなことも分からないだけ焦っているのかしら。オーロのことを襲ったというのは、殺そうとしたわけではないのでしょう?」
「本気で殺そうとしていたのならば、今、私は此処にいなかったかもしれないわ。不意打ちで殺されかかったらどうしようもなかったかもしれない」
オーロは真剣な表情でそう言った。
それもその通りかもしれない。正直本気で殺そうと襲い掛かられたら私だってすぐに対応をすることが出来なくなるだろう。それを考えたらオーロに何事もなかったことにほっとして仕方がない。
「本当ね……。もっと王都の治安を強化してもらわないと。そういったならず者が襲い掛かってくる環境があるだけでも問題だわ」
今回はオーロは無事だったけれども、人目の多い場所で襲われるなんて治安が終わっているわ!
フルケーヘン王国は国民達が暮らしやすい国に出来ているはず。少なくとも王都で大きな問題が起こるのはあまり見たことがない。ただオーロの元夫たちの影響でそういう事件が起こる可能性もあるのよね。
私は王族としてそういうことが起こらないように気を付けておかないと!
「ならず者達は捕えることが出来たのよね?」
「ええ。そうよ。ただあくまで彼らは依頼を受けて私に襲い掛かっただけだから、詳しいことは知らなかったの。大金を報酬として提示されたから受けてしまったらしく……。蜥蜴の尻尾切りをされて怒っているって話で……」
「まぁ、そうなのね。流石に依頼主がバレるようなことは彼等もしないのね」
オーロの元夫は考えなしに行動をしているように見えたけれども、そのあたりの悪知恵は働くのね。
もしかしたら裏で糸を引いている存在がいるのかしら。
そう考えると厄介かもしれない。だって考えなしの二人だけなら楽だけど、そうじゃなかったらとんでもないことをしでかしそう。
「他のならず者にも依頼をしているかもしないから、それも含めて警戒しなければと思うと気が重いわ……。私を狙ったところで彼らの状況が良くなるわけでもないのに」
「そうよねぇ。明確に貴族令嬢であるオーロの命を狙っているという法を犯しているわけだし、何かあったらすぐに処罰を受けることは間違いないのに」
オーロを攫ったり、殺したりしたところで彼らに良い未来が待っているわけではない。心から反省して過ごすことが出来ればまだ好転したかもしれないのに。
彼らがオーロにやったことは許せることではないし、私はオーロを悪妻にした彼らと仲良くするつもりはなかった。
だけれども……私がオーロに接触した段階で反省し、貴族としてではなく別の道を選んだのならば――穏やかには過ごせたはずだ。
前伯爵夫妻だって、息子のために一生懸命説得はしたはずだ。子供に破滅の道など歩ませたくはないだろうから。
それを全て無下にしたのは、彼等である。
「……どこか逃亡先でも見つかっているのかもしれないわ。この国ではもう難しいだろうから」
「それもそうね。でもああいう人たちを身内に入れても望んでいないことなどを多発しそうなイメージもあるわ。……私は少なくとも友達にはなりたくないわね」
うん、私だったら嫌だなってそういう気持ちになる。ただあくまで利用する駒としてならば問題ないとかそんな感じなのかしら。
あんな存在でも、まだ伯爵であることは変わりないし。
明確にあの伯爵とその幼なじみがオーロを狙っている情報でも見つかれば別なのだけど……。ただ行方をくらませているから前伯爵夫妻の方は、伯爵家をどうするか思い悩んでもいるようだ。




