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事情を元伯爵夫妻に聞いたところによると、彼らが目を光らせているのに不満を感じていたようだ。
監視をしてもらい、オーロに無礼な真似をしたことを償わせていたのに。
それなのにまさか、その場から逃げ出すなんて。
……何かやらかそうとしているのだろうか?
そのことは少しだけ心配になった。だって彼らは報告を聞いていた限り、全く反省しているようには思えなかった。
そもそも自身より身分の低い下位貴族ならば何をしても良いみたいな考えを持ち、オーロに対して悪妻という立場を押し付けるような存在なのだから寧ろすぐに反省する方がびっくりだけれども。
まともな神経をしていれば、そんなことをしようとは思わないはずだもの。
「……オーロ、気を付けてね? 彼らが何を起こすのか想像がつかないわ」
私は不安に思った。私はオーロのことを大切に思っている。だからこそオーロに何かあるなんて私は嫌なのだ。
「ヴィオってば、そんなに心配そうな顔をしなくて大丈夫よ。一人にならないようには気を付けているし、どこかに出かける時はいつもヴィオが護衛をつけてくれているでしょう? だから大丈夫よ」
「……でもあの人達、何をしでかすのかさっぱりだわ! ああいうタイプだと予想外のこともしてしまいそうでしょう!!」
愚か者は、私達でが想像もつかないことをやらかしたりするの。そもそも今も十分にやらかしているわ。
折角オーロが前向きになってくれたんだ。
結婚生活で自尊心がぽっきりと折れてしまっていた彼女が、こうして生き生きと過ごせるようになったのだもの。
またオーロが悲しんだり、苦しんだりすることは避けたい。
オーロは気丈に振る舞ってはいるけれど、あの結婚生活で傷つかなかったわけではない。
「ヴィオってば……そうかもしれないけれど、大丈夫よ? 寧ろやらかしてもらった方が処罰することが出来ていいと思っているのだけど……」
「もしかして囮になることでも考えている? 駄目よ! そんなことは許さないわ」
「ヴィオ、私だって進んでそんなことをやる気はないわよ? ただもしそういうことになったらと考えただけよ。だってプラド様達って全く反省した様子がないじゃない? こうして抜け出したってことは何かやらかそうとしているように思えるの」
「それもそうね」
「私がヴィオと仲良くしているのを知った上でなのよ? 私の立場を幼なじみの彼女に渡すように未だに企んでいるのか、それとももうこの国だとどうしようもないって見切りをつけているのか……分からないけれども放っておくわけにもいかないわ」
オーロは、不安そうな様子など見せない。オーロは強いなと眩しく思う。
きっと自分が狙われている可能性も考えているだろうに、先のことを見据えている。不安に思っている私が、恥ずかしくなる。
オーロは冷静で、何かあった時のことをきちんと考えている。
オーロは凄くかっこいいな。私はオーロを見ていると自然と笑顔になった。
「とんでもないことをやらかさないかを調べないとね。でも危険なことは私もオーロもしないってそう言う約束にしましょう!」
「ええ。そうするわ。あとは何かあった際に緊急で救援信号出せるようにはしておきたいわよね」
「それもそうかも。もちろん、危険な目に遭わないのが一番だけどそういうことが起こるかもしれないものね」
何だかオーロの元夫って、オーロのことを傷つけたりしそう。逆恨みもしているかもしれない。
このままオーロに何もしないならいいけれど……私たちが望まない形で向こうが接触をしてくるならどうにかしないといけない。
普通なら王族やそれと親しくしているオーロに変なちょっかいをかけようなんて思わない。だってそんなことをしたら罰せられるのだから。
それでもそういうことを起こそうとしているのよね。
だからなんとかしないと。
「プラド様達が何処まで腹をくくっているかにもよると思うけれど……私が知る限り、そこまで大事を起こせるだけの度胸ってない気がするわ」
「え、でもあなたを悪妻に仕立て上げるような酷い真似は出来ていたじゃない。あれだってある意味大事よ! 追い詰められた人間は何をしでかすか分からないから侮らない方がいいわ!」
私もそこまでのことはやろうとしても出来ないのでは? とは思わなくもない。それでも……何かあるかもしれないので警戒は必要だ。
「それもそうね。でも王家付きの騎士達が調べるなら何とでもなる気がするわ」
「そうね。まぁ、お出かけに出かける時は護衛をいつもより増やして、警戒は怠らないようにするといいかも」
結局そんな結論に至った。基本的には問題ないと思うが、護衛は増やしてもらおう。
私はそんな決意をした。オーロの安全が第一だから、焦って行動はしないようにはする。騎士達は問題なく調べてくれるはずだから何の心配もないはず! とそう思っておこう。




