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文通友達が大変そうなので、私、動きます!  作者: 池中織奈


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 フルダーナスはとてももてるらしい。

 そのことに実感したのは、パーティーに出た時のことだった。グザックデーダ王国との交友を深める名目で行われたもの。



 これまで私とオーロは国内貴族多めのパーティーにばかり参加していた。ただもっと交友関係を広げたいなと思った。

 私の世界はオーロのおかげで広がって、オーロと一緒だからこそもっと色んな人たちと関わりたいと感じた。

 だからこそ私はこうしてこのパーティーに参加している。




 フルダーナスもパーティーの場には居た。




 彼は沢山の女性陣に囲まれている。着飾ったフルダーナスは、とても綺麗だった。パーティー内の女性達が目を奪われるのも当然のことなのかもしれない。

 フルダーナスは、パーティーの場では必要以上に私に話しかけてこなかった。それはおそらく私のことを思ってなんだろうなとは想像が出来る。




 私は王女とはいえ、これまで表舞台に立つことのほとんどなかった存在だ。私が“フルケーヘンの魔女”などと呼ばれる存在だとは、全ての人が知っているわけでもない。大多数からの私の評価は、最近パーティーなどに出るようになった王女でしかない。

 そんな私にフルダーナスが話しかけ続けたらどうなるかと言えば、彼を慕う者達に目は付けられることは間違いないだろう。



 ……フルダーナスは、案外そういう気遣いが出来るタイプだ。初対面の時はもっと、自己中なのかなって思っていたのに接しているとそうではないのだなと実感が出来る。

 時折目が合うと、にっこりと微笑まれる。



 ……なんだか、私の方をチラチラ見ていない?

 話しかけてこないのに、そんなに見つめないでよ。なんて思ったりした。




 パーティーの最中は基本的にオーロと一緒にいた。私が傍に居ないと、オーロに良からぬことを企む人たちが出てくるかもしれないから。

 私はオーロに何かがあるのは嫌なの。私が目を離しているからといってオーロが傷つくなんて絶対に嫌。




「ヴィオ、フルダーナス様はおモテになるのね」

「そうね。あんなに人に囲まれて大変そうだわ」



 美しい見た目だけではなく、王国最強の魔術師としての称号も持ち合わせているからこそ……余計に人から求められているのだろうな。

 それだけの価値が、フルダーナスにはある。



 私やオーロはパーティー会場内では比較的話しかけられている方ではあるとは思う。

 私は王女で、オーロは私のお友達だから。



 私とオーロのことは噂として隣国にも広まっているようだ。私達の望む形での広まり方なので、良かった。

 オーロのことが悪妻として広まっていたら、私は我慢できなかった。

 これも前伯爵夫妻がオーロの元夫たちをおさえてくれているからというのもあるだろう。




 オーロもこういった大きなパーティーに参加しているのが楽しそうで良かった。




 オーロって凄く社交的なのよね。それこそ私よりもずっと人と仲良くなりやすい性格だもの。だからあんな結婚生活を送っていなければもっと社交界で、華々しく活躍をしていたと思うのよね。三年の間、オーロの良さを潰していた伯爵家には怒りが増すわ。

 それにしてもオーロだけじゃなくてフルダーナスもこのような場だとちゃんとしているのよね。

 参列者たちが不快な思いをしないように、ある程度社交辞令を交えながら過ごしているというかなんというか。



 私やオーロと話している時は、フルダーナスって今よりも子供っぽいというか人間らしいというか……ちょっと違うのよ。

 素を見せてくれているのかなと思うと、そのことは嬉しく思った。



 その囲んでいる令嬢達の中には、それはもう美しい人たちの姿もある。私も可愛い見た目をしている方ではあるけれど、絶世の美少女とかそういうわけではないもの。

 ……あんなに綺麗な人達に囲まれているのに、私に求婚しているのよね。

 なんだか、不思議な気持ちになった。




 きっと私よりも活躍しているような、そういう令嬢も多々いるだろう。私はあくまで王女という地位を持っているだけなのだから。

 それでもフルダーナスは、私を選んでいる。




 嬉しい気持ちはある。私だって年頃の乙女だから、そう言う気持ちは抱く。ただやっぱり自分の持つ魅了の力のこととかがあるから、簡単には結婚のことを考えられない。

 フルダーナスのことは嫌いではないけれど、恋愛感情を持っているわけではない。そもそもそう言う感情、まだ私は分からない。




 私はまだ子供なのかもしれない。

 ……十七歳にもなるのに。この年齢だと、もう結婚している人だっているのに。




 魅了の力を持つからこそ余計にお父様達は、私に対して少し過保護だ。無理に婚姻を結ばせようなんてしない。オーロの一件があるまで限られた人たちとしか関わってこなかった。

 だから私は同年代の子達よりも大人になれていないのかな。

 なんて、そんなことを考えてしまった。


「失礼しますわ。あなたがヴィオミーリナ殿下でしょうか?」



 考え込んでいると、そんな声をかけられた。


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