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「じゃあそろそろ別の場所に行きましょう」
読書時間を経て、の五、私達は別の場所へと移動することにした。読書も好きだけどそればかりしていたら少しもったいない気にはなる。だってそれは一人でも出来るもの。
まずはお買い物をする。
基本的に王族である私は王族御用達の商会にお世話になることが多い。公の場に出る時は大体そういう商会で購入したものしか使わないしね。お忍びの時は別だけど。
王族が使うものって気を遣わなければならないから色々大変なの。下手に安価なものを身に付けるとそれだけで付け入られる隙になってしまうから。
それにしても私、オーロと一緒だから買い物が楽しいのよね。
一人だったら商会に来てもらえばいいじゃないってなっちゃうもの。
「オーロ、何か欲しいものあった?」
「そうね、私は……」
私とオーロが買い物をしている間、基本的にフルダーナスは黙っていた。女性の買い物に口を出すべきではないとそう思っているみたい。
「フルダーナスは買い物しないの?」
「欲しいものがあったら買います」
フルダーナスはそう言いながら笑った。
洋服を買うことなどにはあまり関心がないみたい。男性だとそういう傾向の人の方が多いのかもしれない。
私もそういうものにはあまり興味がない方だったりする。いや、もちろん、可愛い服を着るのが嫌いわけではないけれど。
ただ本当に着飾ることが好きな人はいつも最新のものを買うみたいだしね。そう言う人たちとはそこまで話が合わないかもしれない。
フルダーナスは私達の付き添いという形でついてきてくれているけれど、だからといって普通の護衛と同じ立場であるわけではない。
なのでフルダーナスも行きたいところがあるなら連れて行きたいなと思った。
「フルダーナスは何処に行きたい?」
「私はヴィオが行きたいところで……ってそれだとご不満そうですね。それなら王都の魔道具を見に行きたいです。時計台やイルミネーションなども魔法が使われているでしょう?」
「なら、行きましょう!」
フルダーナスの要望を聞いて、買い物の後は王都内をぶらぶらしながら魔道具の説明などをすることにした。
王都は特に魔法を使ったものが沢山溢れている。辺境の村とか街だと、こうも魔道具が使われたりしていないらしい。
「王都の魔道具に関してだけど、まず一番は王宮で展開されている魔道具ね。これは王都に魔物を寄せ付けないようにする効果があるわ」
基本的に人の住まう街や村では、そういった魔道具が展開されている。だってそれがなければ、魔物が幾らでも侵入出来てしまうもの。
まぁ、魔物も愚かではないから人間が多い場所にわざわざ討伐されるのが分かっているのに忍び込む魔物はなかなかいないけれど。
これは他国でもそうだとは思う。
「あとは大々的に外にも知られていることだけれども防衛魔法も王都では常にそれも発動されているわ。魔物や敵対する者が侵入した際にすぐに逃げられるようになっているの」
「二十年前に魔物が王都を襲った際に多くの人々を救ったんだったか」
「そうよ。私が産まれる前の出来事だから、私は情報としてしか知らないけれど」
私はそう言いながら、そのことが書かれていた記述について思い浮かべる。
王都で魔物による被害が起こることは少ない。先ほど告げたように魔物を寄せ付けないように魔法が展開されているので基本的には問題ない。
ただそれが効かないような強大な力を持つ魔物って世の中には存在している。
そういった魔物が襲い掛かってくる非常事態が起こった際は、戦う力のない人たちが被害に遭わないように避難場所が定められている。王都民には正しく周知されている。
幸いなことに私が産まれてからはそういったことは起こっていないのよね。
ちなみにその魔道具も、王宮に設置されているの。とても素晴らしい物だったわ! 常に王宮魔法師たちの手によって改良されていっているの。あと点検も王宮勤めの魔法師の仕事だ。
私は研究職だから、それらの仕事はしていないけれど。
いつか国にとっても重要な魔道具の点検とかさせてもらえるようになれたら、それはそれで嬉しいだろうなと私は思う。
「時計台に関しては、魔法が組み込まれていて緊急時には音が鳴ったりするようにはなっているわ」
歩きながら魔道具の説明をしつつ、時計台の前に辿り着く。
王都の広場には沢山の人達が集まっていて、そこには巨大な時計台があるの。その時計台は先ほどの魔道具の話と繋がるのだけど、緊急時に音を鳴らす効果がある。その音が鳴ったら逃げましょう! みたいな効果だね。あとは避難訓練なども王都ではよくやっていたりする。
緊急時にいざ行動するのってなかなか難しいのだもの。最悪の可能性を考えつつ、行動するのが一番だからね。




