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文通友達が大変そうなので、私、動きます!  作者: 池中織奈


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 前伯爵夫妻は伯爵家のことを考えた上で、金銭面のリスクも大きいからこそ踏み出せない面もあるだろうとは思った。



 保身にも走ってしまっているのだ。

 自分の身が可愛いからこそ、大きな粛清に踏み出せないのだろうけれど甘いわね。もう既に王族である私に知られてしまっていることなのに中途半端な罰で終わらせようとするなんて許されるわけがない。




 ……やはり親子の情があるからこそ中々罰することが難しいなと思っているのかもしれない。

 私は子供が居ないから分からないけれど、自分の子供となると間違った方向で守ろうとしてしまったりもするのだろうな。




 私は結婚とかも全く考えてないけれども、もし将来子供が出来るなんてことになったらどうするだろうか?

 私の子供となると王族の血を引くわけだし、もし倫理に反する行動とか、許せないことをしたら躊躇せずどうにかするだろうな。……まぁ、そんなことにならないのが一番だけれども。

 想像してみると、育てた子供が不甲斐ない真似をしているのを知ったら親としては辛いだろうなとは思う。

 だけれども彼らがオーロにしたことって、許していいものではない。




 自分よりも下位の存在であるならば、そのような扱いをしてもかまわないなんて……それがまかり通り続けたらどうなるだろうか。きっと大変な状況になるでしょうね。

 王族や貴族はある程度、好き勝手しても許されはするとは思う。仕方がなく、誰かを切り捨てることになってもおかしくはない。

 それでも、そのことが何度も何度も続けば民から反発は増えていく。



「……はい。もちろんでございます」

「もしあなた達が罰を与えるのが辛いというのならば、私の方で人を派遣することも可能だわ」





 どうしても心が痛んで自ら罰することが難しいというのならば、王家側で対処をすることだって可能だ。

 ただそうなった場合は厳格な罰を与えられることにはなるだろう。自分で疲弊しつつ対処をするか、それとも人任せなものの厳格な罰を与えられるか。どちらにしても金銭的な負担などは大きいだろう。




 それに伯爵の行いが改善されなければ、伯爵家当主としての座を退くことにもなるかもしれない。

 そうなれば次期当主はどうするのかなどの問題が勃発する。あとはそう、伯爵家の評判は著しく下がるだろう。

 尤も今の段階でもすでに他の貴族達からすると、関わりたくない家にはなっているかもしれないが。

 どちらにしても早めに対応した方が良いに決まっている。そうじゃなければ更に状況は悪化するだろうな。





「……有難い申し出ですが、申し訳ございません。王家の方々にこれ以上迷惑をかけるわけにもいきませんので、こちらで早急に対応いたします」

「分かったわ。ただし、あまりにも時間がかかるようなら王家が介入するわ」




 きっと前伯爵夫妻は、逃げたい思いもあったんだろうなと実感した。そのためこうやってなあなあにしようとしているんだろう。




 でも逃がさない。

 それで結局ずるずると対処を上手くしないなんてことは、私が許さない。そもそもこういった問題はさっさと片付けてしまった方がいいのだもの。




 私の言葉を聞いて、前伯爵夫妻は顔色を悪くして頭を下げて、去って行った。



 私はそれを見て、小さく息を吐く。

 あの調子では中々問題は解決しないのではないかしらとそう思ってしまったから。




「王族としてのヴィオはとてもかっこいいわよね」



 オーロが私に向ってそう言って笑いかける。



 私が前伯爵夫妻と話している間、オーロはずっと静かにしていた。余計な口出しをして話がややこしくなるのが嫌だったのだろう。きっと恨み言などもたまっているだろうに、そういうことを口にしないのはオーロの性格の良さが出ている。

 私だったら文句の一つでも言ってしまったかもしれない。



「ありがとう。オーロにそう言ってもらえると嬉しいわ。早く解決してくれればいいのだけど」

「そうね。長引けば長引くほど、私もあることないことまた噂されてしまうから」

「私もそう思うわ。伯爵側が正式に悪いと周りにわかってもらわなきゃ。そもそもオーロの結婚生活の事実が正式に周知されただけでも、皆の見方は変わるでしょうけれどね。特に娘の居る家庭はあなたの味方をしてくれそうだわ」



 だって自分の身近にいる令嬢が同じ目にあったら? と考えると皆怖くなるはずだわ。娘がいる親の立場だと余計にね。




 貴族の中には政略結婚を推奨していて、子供のことを駒としか見ないものもいるけれどそうじゃない家も当然あるわ。

 あとはそうだわ。もっときちんとした情報を広めれば、平民たちは少なくともオーロを応援する形にはなるでしょうね。

 そのためにもっと、行動をしないといけない。



 私はそう決意した。

 さて、前伯爵夫妻の対応をした後、私とオーロは仕事に向かった。



「……なんでいるのですか?」



 ただ予想外に職場にフルダーナスの姿があって、驚いてしまった。


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