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鬼人セカイダー  作者: 蟹谷梅次
セカイダー牙號
18/23

第18話 改変

 終わりはいつ来るのだろう、と思う。

 来ないのかもしれない、とも思う。

 一生終わらないのかもしれない。

 人間の不幸は。裏世界人の幸福は。

 ‥‥‥‥‥‥。

 いろいろな夢を見た。

 夢のなかでアキラはとても幸せものだった。

 父と母のいる店でリコやほかの友人達と駄弁っていた。

 夜になればバーに行って、そこで頼まれてギターを弾く。

 弾き語りなんかをして、楽しくなって。

 アキラは世界の中心だった。

 ‥‥‥‥‥‥。


 目を覚ました。

 薄暗い事務所にひとり。

 上体をおこして、ソファのヘリを指でなぞる。

 死に体の精神だけが正常で、生きたての肉体はまるでナメクジのように地面を這おうとしているのだから。

 こぼれそうになる涙を抑えた。

 じつのところ、泣き出してしまいたかったが‥‥‥それはもう、やめるべきだと思った。

 べつに、泣いて昔が返るなら‥‥‥。

 ‥‥‥。


「‥‥‥‥‥‥」

「あれっ、起きた」


 声──そちらを向くと、ヒロがいる。

 どうやら便所に行っていたらしい。


「休めたか」

「幸せな夢を見たんだ。みんながそこにいたんだ。俺が世界の中心だった。みんなが俺に笑いかけてくれていたんだ。そこには両親やリコもいた。とんだ悪夢だ。‥‥‥俺は、セカイダーやめるよ」

「向いてねぇもん」

「はっきり言うな、君は」

「俺はこのコミュニケーション能力で大いに嫌われてきたんだ。例えば、お前が『京都に行った』って言ったとき、お前の話を遮って『自分が京都に行ったときの思い出』を語りたい。だからめっちゃ嫌われて友達とかひとりもいない。常に孤独。お前とは真逆だな」

「‥‥‥‥‥‥」


 トラックが事務所の前を通り、光が通って、二人を順番に照らした。


「お? ん? どうした、固まっちゃって」

「えっ、いや‥‥‥なんでも‥‥‥」


 その時だった。唐突に、胸が捻転するような感覚。

 それと同時に、地面にたまりきっていたどす黒い霊力が虹色に輝きを放って昇り始めた。


「うわっ、なんだこれ!」

「なんだなんだ、何が起こってんだお前」


 ソファから転げ落ちた。


「ただいまー」


 アズサ、帰宅。


「えーっ、なんですかこれ」

「なんかこいついきなりやり始めた」

「いやいやいや、わかんないわかんない、俺にもわかんない、なんかいきなりこんなんなり始めちゃった‥‥‥! どうしよーっ! これ、いきなり爆発とかしはじめたら俺また住処を失っちゃうにょん♪」

「なんで楽しそうなんだよ」

「みんなで住所不定になろうね♡」

「私は家があるのでぇ」

「居候先が決まったぞ、菊池くん!」

「えっ、いやだ‥‥‥」


 困ったときは!


「師匠〜〜〜〜〜♡ お助け〜〜〜〜〜♡」

「‥‥‥なんだ」

「なんか、床に溜まってた霊力があんなんなりましたケド」

「ほーっ、こりゃあ珍しい」


 口から飛び出してきた鉄神は煙草を咥えて、言った。


「ありゃあ鬼が姫神に惚れた時の神秘性の伝播だよ、二代目は人間になったあとに姫神にゾッコンになったし、三代目は三代目で姫神には惚れなかったし、現代で姫神に惚れた鬼はお前が初めてだよ」

「えっ、なに? 惚れ‥‥‥? 新しい味噌汁の具材とかっすか? 伝播ってなんすか? 電波? いや俺別に記憶集めた〜いとは‥‥‥」

「年代考えろ」

「この期に及んで誤魔化そうとするか」

「えっ、いやだって‥‥‥心当たりが‥‥‥」

「俺、姫神だけど」

「あっ」


 目の前がにじむほどの沈黙。


「俺?」

「まだわかんない。もしかしたら違うかもしれない」

「俺しかいないだろお前」

「えー、なんでいきなり社内恋愛してるんですかぁ」

「わからなくもないがね。アキラァ、お前はいつも会話の主導権を握ってくる上に話の長い女に惚れているし」

「それを言われちゃあ‥‥‥心の整理がつけづらい」


 その時だった。

 裏世界人の来訪を感知。


「出てくる」


 裏世界人は察していた。

 狼久保アキラへの精神攻撃は無条件敗北につながる、と。

 ゆえに行動を変えた。本来の活動理由に、である。

 快楽のための殺人、無条件殺人。

 鉄球を持った五号、大砲を肩につけた六号──登米市、来訪。


 登米市は宮城県北部にある人口は八万人前後。

 仙台牛の産地としても有名であり、東東洋出生の地でもある。

 其処に出たのは全くの偶然というわけではなかった。

 ほんとうは仙台の中心に出ようとしていたが、口を出す霊術──口口(こうこう)霊術の術式を弄られていた。

 誰によって──そんなものは決まっている。神の名のつくたたら場の男。


「あいつ‥‥‥!」

「出来損ないのくせに、こういう嫌がらせはうまいんだものな」

「どうする?」

「こんなところにでもジジババはいるだろ。そいつらから片っ端から殺していくぞ」

「どっちが多く殺せるか勝負な」


 口がもうひとつ出現する。


「あ?」


 口がパカリ‥‥‥開かれると、虹色の霊力が空に昇る。


「なんだあの霊力‥‥‥」


 男が現れた。くたびれたスーツ、整っていない髪、サングラスは事務所に忘れてきた。


「セカイダー‥‥‥!?」

「感情操血」

「ッ!!」


 五号と六号は身構えた。しかし、血が動くことはなかった。呆気にとられるその隙に、間合いが詰められた。

 両者、腹に掌底がめり込み、次の瞬間、霊力の発散。


『感情操血が使えない‥‥‥憎悪はたしかにある‥‥‥けど、恋愛感情がそれを邪魔してるんだ。人が死んだばかりなのに不謹慎な奴‥‥‥』


『こいつ、感情操血を使わない!』


『使えないんだ』


『バレたかな』


 六号が肩の大砲から砲弾を射出した。

 アキラはそれに直撃し、大きく吹き飛ぶが、なんとか木にしがみつく。肋骨は六本は折れてしまっている。

 激痛に悶えていると、鉄球がアキラの頭部を打った。

 霊力障壁が間に合った。


「‥‥‥よし‥‥‥」


 傷を治し、立ち上がる。

 少し痛みがのこっている。この短期間での治癒ならこれが限界だ。


「‥‥‥‥‥‥鎖付きが迷惑だな‥‥‥」


 六号・大砲はまだギリギリ避ければいいが、五号・鉄球は鎖を引かれればこちらのバランスを崩される。

 崩されればその隙に砲弾を受けかねない。

 一対二というのが、そもそも気に食わない。

 アキラは大きく息を吸い込んで、思念パルスを飛ばした。


 岩手県盛岡市、焼石事務所。

 薄暗い事務所で仮眠をしていたオサムがそれを受け取る。


「あれ、東さん、何処か行くんですか」


 ちょうど来ていた大学生の少女・南カオルがわっと声を上げる。


「少し出てくる。すぐ帰るよ」

「はーい」


 略歩(りゃくほ)霊術。約五メートルの距離を省略する霊術。セカイダーSの走力とこの略歩霊術を合わせることにより、限定的に発揮される「瞬間移動」。


「アキラ、君、感情操血があるだろ。何故こんなものに手間取るの」

「人に恋をしてしまって、感情操血が使えない!」

「ハァ?」

「いままでこんなことはなかったんだ。だから、戸惑ってる! こんな奴らにやられるのは業腹だから、俺には君が必要だと思った」

「わかった、やろう。ただし三分で終わらせるぞ。僕は盛岡に恋人を待たせてるんだからな」


 セカイダーSとセカイダー牙號はもとは同じ血を二つに分けた存在である。かつてのセカイダーSの速度が鬼の血のものであるのならば、ふたりが同じ「場」にいるこの場合、それは本性を表す。


 神をも翻弄した速度。


 三分。そんなちんたら戦うわけではない。

 二十一秒、赤い閃光が走る。


「そんなにかからなかったな」

「君といると心なしかいつもより脚が速い気がする」

「じゃあ僕は帰るけれど、君はこれからどうするんだ?」

「事務所に帰るのも少し気まずいからねぇ〜‥‥‥ちょっと心の整理をつけるために実家に戻ってみるよ」

「実家?」

「実家」



 ◆



 店舗と家は別にあった。仙台駅から徒歩で約二十分あまり。

 閑静な住宅街にある二階建ての木造家屋。

 鍵を使って玄関の引き戸を空けて、家の中に入った。

 時間帯は夜だった。この頃になると、母が家にいてテレビを見ている。しかし、その母はいない。


「遺品の整理とか‥‥‥全部おばさんたちに任せちゃってたな‥‥‥残ってるものとかはあるかな‥‥‥さすがにあるか‥‥‥」


 憎悪を忘れるな。


「‥‥‥あっ」


 アキラの母が好きでよく撮っていたビデオが大量に見つかった。

 親戚に機械オタクがいて、アキラの母はよく彼にDVDに移してもらうように頼んでいたのを思い出す。

 それがたくさん入った段ボール箱があった。

 それを持って家を出た。事務所に帰る。


「それなに?」

「実家に寄って持ってきた、ホームビデオ。たぶん生まれた時から高校卒業するくらいまでならあると思う。母さんがさぁ、カメラ回すの趣味で。家族の記録が映像で残るのが嬉しいっていうんで、よく撮られてたかな。たまに俺も母さんと父さんを撮ったりしてさ」


 テレビに映し出されたのは、生まれたばかりの赤子だった。

 どうやらそのカメラを回しているのはアキラの父らしい。


「なにしてんの」

「記録だよ、いつか見返すかもしれないだろ。この子の結婚式とかでさ、流すかもしれないじゃない」

「ふふ、えぇ~」


 幸せそうな夫婦だが、アキラはいまのいままでこれを見返したことがないという。恥ずかしいから。「帰ろうかな」と思っていた鉄神もそれを見ていた。知りたかったから。


 優しい家族だった。滅多に叱らない。叱るときはちゃんとどういう理由で怒っているのか、を落ち着いて静かに叱る。


 アキラはとても泣き虫だった。

 いつも泣いていて、アキラの両親はそれを愛おしそうに見ている。

 ヒロは今のなんでもかんでも溜め込めばいいと思っているアキラとは真逆の子供に微笑ましさをおぼえた。


 そうして映像を観ていると、ひとついやに現代につながるものを見た。それは慌ててつけたであろう母の吐息から始まった。

 二〇〇〇年の五月頃、アキラが九歳とかそこらの頃のものだろう。

 その日の東北は全域で雨が降っていた。

 もう思い出すこともできないようなくだらないかんしゃくでアキラが家出をして、家に帰らなくなった事があったのだけれど、警察がどれほど捜索をしても彼は見つからなかった。

「やあ誘拐か」と警察が話し合っているのを両親は心配していた。

 その時のものだろう。

 家の呼び鈴がなっている。

 すりガラスには、大きな男と子供の影。

 父が開けると、そこにはアキラがいて、その横には男がいた。


「おい」


 鉄神が思わず立ち上がる。

 アズサも無意識に口に手を当てていた。


 その男というのは、横井信彦であった。

 どうやらアキラは横井信彦に発見されたらしい。

 アキラが警察に事情を話すと、横井信彦は疑いが晴れる。


「おじさんありがとー!」

「かまわないよ」


 当時はエナシを名乗っていたのだろう。


「うちのが、本当にありがとうございます」

「かまいませんよ。私としても、子供がひどい目に合うのを未然に防げて良かった。‥‥‥アキラくん、こんどからは気をつけなくちゃならないよ」

「うん」

「奥さん、それカメラ?」

「え、あ、はい」

「じゃあ、ちょっと未来に向けて私もメッセージ残しちゃおう。アキラくん、いいかい君にだ」

「ぼくに?」

「いいかい、僕は百景種だ。多少人の未来がわかる。このメッセージを見る頃、君は大いに悩んでいるね。きっと、恨みを強く持たなければならないのに、心がほぐれてしまって、憎悪が保てないんだろう。それは、人間生きている限り当たり前に起こることだ。恥じゃない。いいかい、アキラくん。君は戦士じゃない。僕のように悪い心を持って生まれたわけでもない。いつまでも恨まなくていい。許さなくてもいい。無理に心をねじ曲げようとするのはいい加減で止めなさい。君は君だと思い知るんだ。横にいる彼が言いたいのもそういうことだし、たぶんモロにそう言ってる」


 記憶になかった。

 この日のことを、憶えていない。


「それから‥‥‥まぁ、このくらいでいいか。大人なんだから、いい加減自立しなさい」

「おじさん帰っちゃうの?」

「これからもう一人、君と同い年かな、そういう子を迎えに行くんだ。いつか君の友だちになる子だね。その子はお尻が弱点だから、叩かないでやるんだぞ」

「うん!」

「‥‥‥‥‥‥一番助けてほしい時に、いてやれなくてごめんな‥‥‥でも僕は、世界の敵だから、いいことしちゃいけないんだ」

「え?」

「ハハァ。まぁ、こっちの話だ。‥‥‥そうだな、あと最後にひとつ」

「なぁに?」

「僕はまだおじさんじゃない」


 映像は続いた。

 たくさん続いた。しかし、身が入らない。

 あれはエナシだった。あれは横井信彦だった。

 横井信彦と接点があった。

 アキラはそれを知らなかったらしい。

 そもそも記憶にすらなかったと。


「あり得る話ではあるか」


 そんなものか、と受け流す。

 奴は子供にだけは手は出さなかった。結果的にそうなってしまうときはあったろうけれど、少なくとも。


「狼久保」


 ヒロは隣のアキラを見た。

 アキラは考えていた。憎悪はたしかにある。弱っちいけれど、人間を恨む気持ちがたしかにそこにはある。けれど、それを上回るほどの恋がある。ならどうすればいいのか。

 感情なんてものの境界線はいつだって曖昧なはずだ。

 だったら、いっそのことごちゃ混ぜにしてしまえばいい。

 あっちに行ったりこっちに来たりで忙しいのであれば、いっそのことごちゃ混ぜにしてどいつもこいつも連れて行ってしまえばいい。

 憎悪も恋も全てが自分のものであると自覚すればいい。

 全部全部を受け入れてしまえばいい。


「俺は、とても恵まれた人間なんだ。優しい両親に愛されて育ったし、友人なんかも沢山いた。ありがたいことに、俺のことを好きになってくれる女の子もいて、とても嬉しい。俺だけが不幸になる訳じゃない。俺は、親が死んだときや友人が死んだ時、とても苦しかった。こんな感情を、世界中でどいつもこいつもが抱いてると思うと、とても‥‥‥嫌になる。だからね、俺は‥‥‥」


 ふと、思考が挟まる。


「あっ」

「なになに、なに? なに、どうした」

「裏世界全否定するいい方法思いついちゃった〜ん」

「えっ?」

「世界! 最初からやり直しちゃおうね! ぜんぶ、なかったことにしちゃおう! 最高にひらめいちゃってさぁ、俺ってもしかして天才系ボーイ!? でもどうやってやり直すのって言われるかもしれませんのでそこはもう考えてありまっす! 言霊を使うんだよ」

「言霊を‥‥‥?」

「言霊なんてもの、あるわけないだろ」

「ありますよ! ありますあります」


 鉄神の否定に、アキラが笑う。


「脅威骨ってあるじゃないっすか! 今あれ思いついたんすよ。あれが変身器具として元からあったわけじゃないって聞いた時どっひゃー恥かいたって思ったんですけど、じゃああれってなんであんなことになってんのって思っちゃったんですけど、それって『聖人の遺体』とかそういうふうに言って管理したから、本当に神性が宿っちゃったんだろうなって! それって俺にも当てはまるんすよ、俺って昔から善人とか聖人とかって言われてきたんすよ! だから、鬼になったのに加えて、俺のことをしるほとんどの人が俺を神聖視するもんだから、俺の骨が脅威骨になったんです」

「‥‥‥‥‥‥」

「だから、みんなで『やりなおしたい』って言えば、なんとかなるんですよ。鬼だって裏世界生まれの師匠だって居る。言霊が強まるような状態にはすぐに持っていける」

「世界やり直したら、出会えなくなる」

「大丈夫、俺と君が出会った経緯に裏世界は関係ないから、俺と君はちゃんと出会う。俺たちに都合のいい世界を作るんだよ。裏世界がないなら、みんなが幸せになる。みんなを幸せにできる。本当に都合のいい世界を作れるんだよ、そういう霊術が‥‥‥いま、完成した」


 世界操術。

 いままでありもしなかった、世界を操る霊術。

 発生条件は百人以上の現世界への否定。

 裏世界人の快楽殺人による被害者遺族による現実逃避のおかげで、その条件はすでに達成されていた。


 セカイダー、生廻者あるいは世界者。

 世界に嫌われた鬼の血を引く男、牙號。

 鉄神は見誤っていた、たしかに狼久保アキラには才能があった。桁並外れた憎悪、霊力操作、それを踏まえた、感情操血の会得。

 これは東五代オサムにも言えることだが‥‥‥通常、感情操血の会得には十年はかかる。

 一年もかからずに会得し、前線で活躍できるレベルまでに至る。

 普通の家庭に生まれた、普通の青年が。

 アキラの中に横井信彦の霊力は見当たらなかった。

 なにかをいじられたわけではない。持ち前の才能。

 鉄神は悔しさのあまり刀を打たせたが、その刀は溶かそうとしても溶けないし、岩に叩きつけても折れないし、海に落としてみても気がつけば帰ってきている。

 普通の鉄のはずだったが、どうやらアキラのふつふつ湧き上がるような霊力に当てられて神聖なものになったらしい。


 しかし、それは。


「やめ‥‥‥」

「はい、発動」

「バカタレ!」



 ◆



 アキラの意識は暗闇の中にあった。

 そこには光る球があり、その球体が言う。


「君はこの世界に何を望む」

「この世界に? 裏世界消してほしいんすよ」

「裏世界は消えない。ただ、入り口をなくすことはできる」

「あんた誰です?」

「三ツ石の神、といえばわかるだろうか」

「もしかして、団子屋とかっすか。俺くるみの団子好きなんすけど、世間では全然そんな事なくて、みたらしとあんこの脇役みたいになっててぶっちゃけまいっちんぐって感じ。神様は団子何が好き?」

「‥‥‥‥‥‥」

「あっ、クイズ? 俺当てちゃうよん♪ そうだな、たぶんたけどずんだじゃない? 昔親戚の葬式のあとで飯食うやつあるじゃないですか、それでずんだ餅食ったことあるけどなんか美味しかったかまずかったか記憶にないっす。なんか『枝豆かなこれ』みたいに思った記憶があるんすけど、うまいもまずいもないっす、ずんだに」

「ずんだはうまいだろ‥‥‥」

「え? なんのはなし?」

「こ、こいつ‥‥‥!」

「っつーか神様世界やり直したいんすけど、裏世界消せないのってなんで?」

「裏世界がなければ君の暮らした世界は表にいることはできない。それと君、裏世界が消えたら鉄神くんともあえなくなって最悪除怪師とやらにもなれなくなる」

「えーーーっ!? そりゃそうだ、師匠って裏世界人だもな。除怪師になれないんじゃ、俺菊池くんとも出会えないポヨ!」

「気安く世界操術を発動するなって」

「ごめーん。じゃあどうしちゃうか二人で考えようぜ」

「神に気安いなお前」

「毎日お賽銭してるもん」

「してないだろ」

「してないけど。まぁ考えようよ。裏世界から人が来ないようにしたいけど、師匠がいないと除怪師になれないわけだ。うーーーーーーーん‥‥‥じゃあ、あれだな。もういっそなるようにしてみようか」

「考えるのをやめるな」

「まぁ改変ってわけだから敵もいないだろうしさ。神様、頼んます! 羅刹鬼は必要かな。それなりに。‥‥‥あっ! そうだ忘れてた」

「なにかな?」

「島澤伴内を鬼にするの、やめてね」

「当たり前だ」

そろそろもう耐えられないから逃げよう、の回

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