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訳が分からないよ~

卯・辰の章、更新いたしました。

 それは、時間にして一秒に満たない出来事だったが、メリーナには数分にも感じられる。マコからもたらされた思惟の塊だった。

(・・そして、あなたにとっての「わたし」の存在、わたしにとっての「あなた」の存在を伝えたい)


(わたしは、どうなってしまっていたの?)

マコにメリーナは疑問を投げかける。

(わたしが、わたしたちがゲームをしていた。MMORPG「魔法学園都市アルカディア」は、モルモットになれそうな人を探すツールだったとハイラは言ったわ。そして、わたしは適合者として精神のコピー、つまり情報体として送り込まれたんだって。元のわたしは多分、何も気が付かず普通に暮らしているみたいよ)


(じゃあ、私は何なの?)

(どうもイレギュラーが起きて、情報体が二つもコピーされ一人は計算通りにマコラへ、ハイラが気付かない内にメリーナへと、意識統合されていたって言ってたわ)


(わたしってコピーなの?)

(情報体じゃないとこの世界に送り込めないからって。だからハイラ自身もコピーで、意識統合されてるって言ってた)


(ええっと、それじゃあ?この世界はどこに存在しているの?)

(わからないって、だから調べてるのかな?「魔法学園都市アルカディア」の元になるステージをAIを使って製作していたら偶然、窓が開いてこの世界が覗けるようになったらしいけど・・、わたしには難しいからハイラに聞いてみて、システム開発の当事者の一人らしいから)


(ほんとうに訳が分からないよ~)

(もちろん、わたしも訳わからないから、とりあえず手伝いをしていたの・・でもわたしの後、送り込まれってくる人もいないし、ハイラも初めの頃は、よく上を見上げて色んなことを叫んでいたわよ。今は諦めたみたいだけど・・)


メリーナにはマコが話し続けている声が小さく感じられ聞こえなくなってくる。

(聞こえないよマコ!)

「聞こえないよ!マコー!」

メリーナは意識が覚醒すると、泣きながら抱きかかえているマコに向かって大きな声で絶叫していた。



(あるじ、メリー!大丈夫ですか?)

シンダラから念話が飛んでくる。

「マコが、わたしが居なくなっちゃた・・」

(??、主、混乱されているみたいですが、ご無事なら報告が。ラール(赤)を倒せましたが・・サンテラが犠牲となりました)

シンダラの言葉にメリーナは暫く呼吸すら止まっていた。

「サンちゃんも・・居なくなっちゃったんだ」


その時、激しい破壊音が校門前に響き渡り、エスターテがメリーナの方に吹き飛ばされてきた。

「エスちゃん!」

メリーナが叫ぶと、倒れこんでいるラジャット(銀)の横に、鬼のような形相をしたニーラー(青)が立っていた。

「ラジャット(銀)、立てますか?マコラは・・間に合わなかったみたいですわね。学長室に書類と所要を済ませに行っている間にこれですか?」

ニーラー(青)は、ラジャット(銀)にそう言うとメリーナを睨みつける。

「本当に学長といい。あなた達といい。随分とご理解いただけない人ばかりなのですね。立場が分かる様に見せしめが必要ですね」


そう言うとニーラー(青)は、手にした鞭のような武具を再度、エスターテの方に向かって打ちしならせていた。



お読みいただきありがとうございました。更新を水曜日、土曜日の週二回、16時前位に更新したいと思います。引き続きどうかよろしくお願いいたします。


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