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ダーク・ノヴァ!

卯・辰の章、更新いたしました。

 「四方からまとわりつきやがって、こん畜生が!」

サンテラ、アニラ、バサラに、シンダラが、やや遅れてメキーラが、肉弾戦に加わり、後方からリヴィアが支援魔法と回復魔法を使ってくる事で、さしものラール(赤)も疲労が蓄積していた。

「みなさん下がって。きますよ!」

ラール(赤)が身を丸め防御の姿勢をとる仕草をみせると、リヴィアは後方から叫んだ。その瞬間、ラール(赤)の全身から赤い硬質の尖った鱗が針鼠の様に逆立ち、ダートの形状をした鱗が雨あられと降り注ぐ様に放たれた。

「エクストラ・ヒール!」

リヴィアが間髪入れずにズタズタになった全員に強力な回復魔法をかける。

「みなさん、もうしばらく時間をいただけませんか?」

満身創痍な状態でも、サンテラ、アニラ、バサラ、シンダラ、メキーラは手を上げリヴィアに答え、ラール(赤)にむかって行く。

「畜生!魔法さえ使えればこんな奴ら!」

再びまとわりつく様に、四方から肉弾戦を仕掛けてくる元十二魔将達に対して、巨大な赤龍へと獣化したが故に、その小回りの利かない巨体そのものが既に無用の長物と化していた。


リヴィアは、魔法制御が終えると蝙蝠の翼を展開し大空へと舞い上がっていく。その様子にラール(赤)は気付くと素早くダートの形状をした鱗を発射する。が、シンダラが一気に跳躍し金長棒で叩き軌道を変えてみせる。

「ダーク・ノヴァ!」

リヴィアの掲げた両手の先に形成された黒い星のような黒炎が眼下に見えるラール(赤)に向かって放たれた。

「抜かったわ・・」

決して消えない黒炎に身を焦がしながらラール(赤)は再び身を丸めると、その身体の全ての赤い硬質の尖った鱗を針鼠の様に逆立たせ最後の反撃を試みる。

最も標的とされ狙われているリヴィアの前面に、今度は巨大な半人半馬の姿になったサンテラが跳躍し、放たれたダートの形状をした鱗を全て受け止める。



東門の焼き払われた街道には、全身の鱗を無くした黒焦げの巨大な龍の亡骸と、巨大な半人半馬の槍闘士の亡骸が静かに横たわっていた。

そして、サンテラの亡骸にすがりつ様に巨大な羊の姿をしたアニラが寄り添い泣いていた。

「もう少し、わたしに魔力が残っていたら・・」

リヴィアは、魔力回復用の小瓶を口にする間もない出来事を悔やんでいた。そのリヴィアの肩をシンダラが軽く叩くと口を開いた。

「臆病な、あいつらしくない行動だったよ。そしてメリーナに託された任務をあいつなりに全うしたんだ。これが実戦の洗礼だと、そしてこれからの戦いに生かせるよう修練を続けていって下さい」

おそらく、本格的な実戦は初めての経験となるリヴィアに静かに言い聞かせていた。


・・その直後、アニラ、バサラ、シンダラ、メキーラに、そのテイムの主たるメリーナの絶叫が直接、頭に響きわたってきていた。



お読みいただきありがとうございました。更新を水曜日、土曜日の週二回、16時前位に更新したいと思います。引き続きどうかよろしくお願いいたします。


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