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静かに闘えんのか!

卯・辰の章、更新いたしました。

 ラール(赤)によって放たれた烈火ブレスは、東門の街道を一瞬にして焼き払い、火口にでも降り立ったような景色に一変させていた。

メキーラがリヴィアを抱きかかえ上空に退避したその横に、シンダラが雲に乗り上昇してくる。

「死ぬかと思ったぞ!」

「他のみなさんは?」

リヴィアが他のメンバーを気遣うと、シンダラは不敵に笑いながら地上を指をさす。ラール(赤)の股をくぐり抜けたその先に、半人半馬の姿になったサンテラの背にまたがる獣化したアニラとバサラの姿があった。

「ご無事で何よりです。このまま魔法を放ちたいと思いますので、しばらく時間をいただけませんか?」

リヴィアはそう言うと、目を閉じ魔法制御に入っていった。


「こしゃくな奴ら目!」

ラール(赤)は向きを変え、自身の股座をくぐり抜けたサンテラ達に狙いを移して、再び烈火ブレスを放とうとしていた。

「サンテラ、こちらを狙っていますよ」

バサラが悲痛な叫びを上げると、アニラは後方に得意の風の障壁を展開するが。

「多分この位の障壁では、ほとんど効き目がないよ~」

アニラも余りにも強大なラール(赤)の火力に絶望の言葉を発していた。


その時、リヴィアの魔法が広大な領域内で発動する。

「アンチマジック・フィールド!」

その声と共に領域内での魔法の行使が、リヴィア本人以外全て封じられる。

烈火ブレスが放出できなくなったラール(赤)は、忌々しそうに龍人の姿へと戻っていく。

そして上空では、メキーラとシンダラが共に獣人化が解け失速し地上へと落下していく。

「落ちる―!」

飛行できなくなり叫ぶメキーラを、今度は蝙蝠の翼を展開したリヴィアが抱きかかえ地上へとゆっくりと着地する。

「フンム!」

シンダラは自由落下するが、爆音と共に見事な着地を披露していた。

「ごめんなさい。時間が無かったからいきなりになって」

そう言いながらリヴィアはメキーラに微笑むと、ラール(赤)に向かって駆け出して行った。

「やりますね。次は肉弾戦ですな」

その横にはシンダラが金長棒を手にし、リヴィアとすでに並走していた。


「たあーぁ」

「こんちくしょう」

「静かに闘えんのか!」

獣人化のとけた、サンテラ、アニラ、バサラが既にラール(赤)との肉弾戦に入っていた。

「ええぃ!うっとうしい!」

ラール(赤)は自身の赤い硬質の尖った鱗をダートの様に投擲し使用していた。そしてその威力は掠っただけで大きく肉を削り取っていた。


血だらけで闘うサンテラ、アニラ、バサラに、追いついたリヴィアがヒールをかける。

「貴様だけが魔法が使えるのか?」

驚くラール(赤)にリヴィアは答える。

「アルカディア魔法学園の卒業生を舐めてもらっては困りますわ」


ラール(赤)は、リヴィアを龍神族と同格以上の化物だと、認識を改めなおしていた。



お読みいただきありがとうございました。更新を水曜日、土曜日の週二回、16時前位に更新したいと思います。引き続きどうかよろしくお願いいたします。


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