学長、敵襲ですか?
卯・辰の章、更新いたしました。
各役員が推薦され、新しい生徒会が発足した。アウラはこれまでの習わし通りに生徒会選挙の得票順位でマコを副会長、ルシアを会計に、マノンを書記に選出していた。
「いよいよ新しい生徒会の船出となる。選出された各委員長は、早急に足りなくなった委員を補充し、繰り上げ実施となった卒業式の開催に取り組んでくれ」
アウラは生徒会役員室で最初の訓示を述べると、マコが今後の卒業式の細かい日程を述べ、最後ににこやかに言葉を閉める。
「これが生徒会の最初の行事になります。みなさんの力で温かく卒業生を送り出して下さいね♡」
アウラはマコのその様子を見つめながら、得体の知れない警戒心に苛まれていた。
(学長、本当にこれで良かったのですか・・)
卒業式当日の朝、来賓席には通常、自治体連合代表、ギルド代表、商人ギルド代表またはその代理人の席が設けられているが、その席にはそれぞれ、タクシャカ・ラール、ヴァースキ・ニーラー、シェーシャ・ラジャットのネームプレートがマコによって用意されていた。
その事に気づいたアウラは慌ててポーラ学長に報告する。
「来賓席のネームプレートがおそらくマコによって更新されています」
何かを悟ったポーラはネームプレートを確認すると傍にいたセージに声をかける。
「メリーナを大至急正門前へと呼び出して下さい。そして、サンテラたちには早急に身を隠す様に伝えて下さい」
そう言うと、ポーラは学園の正門へと急いで向かって行った。
「学長、敵襲ですか?」
メリーナは、あわてて教室から飛び出してきていた。
「龍神族の龍神族のラール(赤)、ニーラー(青)、ラジャット(銀)が卒業式の来賓としてやってくるようだよ。万が一が有ったらいけないからね。元十二魔将たちは、身を隠した方が良い」
「・・来賓ですか?すぐに、上空のメキーラを呼び出して、みなに伝えてもらう様にしました。メキーラは低空を滑空して来た三台の馬車と龍神族に気づいていました。もう本当に驚いていましたよ」
ただならぬ。その様子を見たエスターテが教室から追いかけてきていた。
「何があったの?メリーナ?」
エスターテの問いかけにポーラ学長が代わりに答える。
「理事会の役員たちが、つまり龍神族たちが来賓として卒業式に出席する様なんだよ」
「ここが、戦場になるんですか?」
エスターテのメリーナと同様の反応に、ポーラはくぎを刺す。
「学園を無傷で乗っ取ろうとしているんだよ。いきなり戦場になったりはしないよ。こちらが手を出さない限りはね」
そこで、メリーナはポンと手を叩いた。
「あっそれで万が一の為に、みんなに身を隠す様に言ったんですね」
ポーラは、メリーナのやっと理解したその様子に肩を落としながら話を続けた。
「もうじきにここに着くころだろう。正式な招待状を持参してだよ、よおく相手の出方を見極めようじゃないか。メリーナ、チェンジしておくんだよ」
「はい、メリーチェンジ」
メリーナは、赤髪の癖毛のショートヘア、濃いピンクの瞳、口元から小さな牙、そしてカチューシャは純黒色へと変わっていた。
お読みいただきありがとうございました。更新を水曜日、土曜日の週二回、16時前位に更新したいと思います。引き続きどうかよろしくお願いいたします。
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