リヴィア・テンプル
卯・辰の章、更新いたしました。
「だいぶ、修復が終わったよね」
アニラが汗をぬぐいながら校舎を見上げる。
「校庭に馬鹿でかい穴が開いてたんだ。逆にこの程度で良く抑えられたと思うぞ」
シンダラも汗をぬぐいながら資材を降ろす。
「この校舎の窓枠を最初に破壊したのはお前だっただろ」
サンテラが自身の半身でもある赤いたてがみの黒馬が引く荷馬車から窓枠を降ろしながらアニラに告げる。
「はは、だったね」
悪びれる事なくアニラは陽気に笑う。
そして、校舎の屋根の上からメキーラがのぞき込む様にして会話に参加する。
「いつも誰かが壊した後始末をしてるんですよね」
「昔は破壊した後の事なんて考えてもいなかったよね」
アニラが再びにこやかに笑うと、バサラが学食の方から犬人族と共に弁当を運んでくる。
「お昼の弁当、こちらの分も持ってきましたよ」
「一緒にここで食べようぜ」
シンダラが警備班のバサラを誘い久しぶりに皆で共に昼休みを取る事になった。
中庭で元十二魔将達が仲良く昼食をとっている姿を学長室の窓から眺めるポーラ学長と、その傍には生徒会長のリヴィアの姿があった。
「この学園もずいぶんと賑やかになったもんだよね」
「はい、この半年で随分、変わりました。生徒間でも危機意識と使命感が高まっているのを感じています」
ポーラ学長は、リヴィアの言葉に同意するように頷くと、再び窓の外を眺めながら口を開いた。
「夜明けの爪が学園に現れてから半年、卒業生たちも「静かなる侵略」をされてしまった各街を開放する為に奔走してくれている」
「はい、わたくしも卒業後は速やかに任務に協力したいと思っています」
「メリーナが、「静かなる侵略」の中枢を叩いてくれたおかげで、敵の動きがあきらかに弱まった・・が、このままで終わるはずもないね」
「メリーナをまた狙って来るのでしょうか?」
「これまでは破壊と再生が長い間、繰り返されてきた。でもね、今回は破壊ではなく「静かなる侵略」を敵は選んだみたいだが・・破壊に立ち返るんじゃないかと心配しているんだよ」
「こちらから、出向いては如何でしょうか?学園を守りながら戦うのは難しいと思いますが」
ポーラ学長は、窓の外のシンダラを見つめながら溜息をつく。
「元十二魔将にも忠告されたよ。生徒や街を守りながら戦うなんて不可能だとね」
「・・では、どの様にお考えですの?」
「生徒会選挙を少し前倒しして、卒業式前にメリーナ達を率いてパーティーを組んでくれないか?」
「それは・・生徒を預かれと?」
「生徒は二人だけだよメリーナ・フレヴァリ、エスターテ・ハーベスト、この両名だけだよ。そして元十二魔将と共にだよ」
リヴィアは少し驚きながらも冷静に答えた。
「戦力を二分する事になります。学園の生徒や街の人達は守り切れますか?」
「敵が、あなた達を無視してこちらに戦力を集中するとも思えないからね。守り切ってみせるさ」
「・・わかりました。早急に生徒会選挙の日程を決め学園生活に支障がない様最善を尽くします」
そう答えるとリヴィアは一礼をして、足早に学長室を退室していった。
お読みいただきありがとうございました。更新を水曜日、土曜日の週二回、16時前位に更新したいと思います。引き続きどうかよろしくお願いいたします。
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