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負けを認めるのですか?

丑・寅の章、更新いたしました。

 「二人とも無事だった?」

シンダラが、戻るや否やアニラが声をかける。

「ああ、二人とも無事だった。あの大爆発は寅の自爆魔法だった」

雲に乗ったままのシンダラの元にメキーラも上空より降り立つと報告する。

「丑には、動きはない。あいつらも状況を探っている様だ」

「残るは丑のみ、奴を見つけ次第一点突破するか?」

シンダラが戦術を変更するか提案する。

「自死を選び我々を道連れにしようとするかもしれん。いや、そう思考誘導されると思う・・」

サンテラは、悔しそうに皆に意見した。

「そうだよ、今だからわかる。もし私たちもメリーに、主にテイムの上書きをされてなかったら。敗北を悟ったら相手を道連れに自爆していたんだよね」

アニラが悲しそうに呟く。

「わたしが一番危なかったんだ。最後の瞬間、学長が光輪凝固陣を使用して拘束されなければ、メリーが新たな力を得ていなければ、わたしは学園に大穴を空けていただろう・・」

サンテラ、アニラ、シンダラ、メキーラは、それぞれを見つめ合いながら、改めてメリーナという人物の存在に感謝していた。



丑の十二魔将ショウトラ・パテルは、既に撤退を決意していた。

「撤退するのですか?」

突然、背後から声をかけられる。

「・・卯か?何故ここに来た?」

振り向く事に恐怖を感じとり、振り向かずにショウトラは返答すると、更に声が続いた。

「負けを認めるのですか?」

「決して負けてはない。一時撤退して計画を練り直すだけだ」

「総帥は、撤退するような事を、お認めになっていませんよ」

「では、どうしろというのだ?」

「今すぐその甲冑を脱ぎ、替え玉を仕立てなさい。そして、アルカディアの城壁や街を突破しやすいルートを教えますので、その戦いの隙に単身で学園の中枢に突入しアンテラの代わりにメリーナ・フレヴァリと刺し違えなさい」

「わたしに死ねと?」

「これは総帥の御命令です。速やかに実行して下さい」

「なっ!それが出来ないから撤退しようとしているのだ!」

我慢できずにショウトラが振り向くと、既にそこにはなにも痕跡もなく、一枚の紙と、ただ草が揺れているだけだった。



魔牛軍団が捨て身で正城門を総攻撃を仕掛けるのをサンテラ、アニラ、シンダラ、メキーラが阻止する為に立ちはだかる。

「こんな無謀な作戦を選ぶのか!」

シンダラが呆れた様に叫ぶ。

「こいつ、丑じゃありません!替え玉です!」

メキーラが上空から皆に伝える。

「じゃあ、丑はどこに?」

サンテラが慌てて叫ぶ。


その頃、街人に変装したショウトラはすでに、学園の正門前に居た。

(紙の通りにここまでこれたが、正門以外の突破は不可能とは?)

正門以外に魔法探知を試みてみると、一斉に警報が鳴り響いた。

「しまった!」

正門を指示通りに大人しく潜った方が良かったのかと、後悔しながら獣化をおこないショウトラは正門に突っ込み校舎を目指す。

その校舎の前面に三人が姿を現し、防御系、拘束系の魔法陣を展開していた。


その魔法陣で拘束される直前に、ショウトラの身体は本人の意思とは関係なく巨大な爆発をひき起こしていた。




丑・寅の章は、ここ迄となります。お読みいただきありがとうございました。更新を水曜日、土曜日の週二回、16時前位に更新したいと思います。引き続きどうかよろしくお願いいたします。


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