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凄い!流石シンちゃん♡

丑・寅の章、更新いたしました。

 「ねえ、シンちゃん。どうしたらうまく時間稼ぎができると思う?」

メリーナは、雲の上でシンダラの背にしがみ付きながら問いかけた。

「時間が有りませんし、相手が数千頭の魔牛ですから穴を開け地形を変える方法位しかないでしょう」

「魔法で地面に沢山の穴を開けたら良いのね」

「そうです。ボム系の魔法で進路の端から端まで大穴を開けてやりましょう」

「わかった。大穴を開けても良さそうな場所に向かって」

「はい、この前何度も弁当を運びましたので、近くの良さそうな場所に向かっています」

「凄い!流石シンちゃん♡」

「・・照れますよ、時間がとにかくありません。着き次第上空から、わたしは左側をメリーは右側を交互になる様に手早くいきましょう」

シンダラは、アルカディア郊外の草原地帯上空へと雲を急がせていた。


「フレイムボム!」

まずシンダラが魔法を地面に放つと、地面に大穴が空く。そして背後で右側にメリーナが魔法を放つ。

「イグニッションボム!」

そこには、更に巨大な穴が口を開いていた。

(いやぁメリーと、主と闘わなくて幸いだったかな。全く規格外だなあの大穴は・・)

シンダラは内心メリーナに強い畏怖を感じながら、お互いに魔法を連発しながら作業を進めていた。



いきなりの奇襲に対してアルカディアが、これほどまでの対応力を見せ数千の軍勢が被害を受け、足止めを余儀なくされている事実を目の当たりにして、丑の十二魔将ショウトラ・パテルは自身の計算違いを悟っていた。

「これほど短時間であれほどの落獣坑を造り上げるとは・・元十二魔だけの力とは思えんな」

街に対しての奇襲は失敗に終わり、部隊を再編する為に再度の出撃が翌朝早朝までかかる事に絶望に似た感情を巡らせていた。

(寅め、どこかで笑っておろうな・・)



寅の十二魔将アンテラ・ダンタヴァルマは、北側の城壁の背後には巨大な山脈の南端の山、その尾根の頂よりアルカディアの街を見下ろしていた。

「奇襲は失敗か・・メキーラめ。邪魔をしてくれたようだな」

奇襲が成功し日が暮れ、混乱状態のアルカディア学園で、個別に元十二魔将とメリーナ・フレヴァリを抹殺する。その全ての計画が白紙に戻ってしまった。

「もはやもう一度、ショウトラらが攻め込もうとも、油断は無いだろう。今回は狙いを絞る必要があるか?」

アンテラは胡坐をかいて座り込み。街を見つめながら深く熟考していた。



「ご苦労様だね、あの短期間でよくぞ敵の動きを止めてくれた」

正城門でポーラ学長とエルドがメリーナとシンダラを出迎えてくれていた。

「あれだけ連発したら魔力が枯渇しているでしょう。これを飲んで下さい」

エルドが小瓶を二人に差し出した。

「え、こんな高価なもの。一晩寝たら大丈夫ですよ」

あわててメリーナが両手の指を広げ左右へ振って断ろうとした。

「ぐずぐず言わずに飲みなさい、もしかしたらこれは陽動かもしれないんだよ」

「陽動?」

「他にあるかい。みんなその考えを前提に動いているんだよ」

メリーナはポーラのその言葉と目線の向けた横にいるシンダラの方を振り向くと。


シンダラは当然の様にうなずきながら魔力回復用の小瓶を既に口にしていた。




お読みいただきありがとうございました。更新を水曜日、土曜日の週二回、16時前位に更新したいと思います。引き続きどうかよろしくお願いいたします。


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