ママもおじいちゃんも無事だって事ですよね♡
亥・子の章、更新いたしました。
メリーナは飛行中のシンダラの背におぶさりながら真剣に考え込んでいた。
(私は、メリーナの幼い時の記憶も元の世界の記憶も同時に持っている。私を育ててくれた母と亡くなってしまった冒険者だった父、そして、そんな母娘をあの場所で引き受けてくれた。かなり頑固で変わり者の大おじいちゃん。ほとんど誰もプレイした事もないメリーナの過去の設定・・私はどんな向き合い方をしたらいいのかな・・)
「辺りには、特段変わった気配は感じないが・・」
家の石門前に雲を降ろすとシンダラは背中につかまっているメリーナに降りる様に促した。
「特に以前と変わった所はないかな?バサラ達も特に荒らしたりしてないみたいだし」
メリーナはそう言いながら石門から玄関戸へと続く道を歩き始めた。
「おじいちゃん。ママ!」
メリーナは玄関戸を開けると、ごく自然に声が出ていた。
「特に荒らされた形跡はないな。血の匂いも感じられない」
シンダラもメリーナに続き家に上がると、注意深く辺りを観察していた。
「わたしの部屋に案内するね」
メリーナはシンダラにそう告げると中二階へと続く階段を上っていった。
シンダラが部屋に入るとそこには、干し草と白太を利用して作られたベッドと木材で作られた机と椅子と大鏡があしらわれているクローゼットが目に映った。
「暫く使われていない様子ですね」
シンダラの言葉にメリーナが答える。
「魔法学園に入学して、もう少しで一年になるから」
そう言いながら部屋をメリーナがキョロキョロしていると、部屋の隅に以前にはなかった古い小箱が置いてあることに気が付き、手に取って開けてみる。そこには一通の手紙が入っていた。
「手紙ですか?」
シンダラの声にうなずきながらメリーナは封を開くとそこには、大おじいちゃんの大きな字で書かれていた自分あての手紙だった。
-メリーナへ。帰って来ても誰もいなくて、驚いている事だろう。この街は変わってしまった。変化に気が付いていないだろうが変わってしまっている。お母さんは故郷の街へと向かう様に手配できた。メリーナも、ふもとの街には決して二度と立ち寄らず、そこに向かってくれ。おそらくアルカディア魔法学園都市も遅かれ早かれ同様な事となるだろう。必ず母さんの面倒見てあげておいてくれ。では、私は旅立ってくる。いつかまた出会えることも有るだろう-
メリーナは手紙を読み終えるとシンダラに手渡した。そしてシンダラも一読すると何度かうなずきながら口を開いた。
「この手紙の人物は、なかなか目の利く優れた人物の様ですな鼠の戦略を見抜くとは。お父様ですか?」
「いえ、冒険者をしていた亡くなった父の師匠にあたる方です。わたしは大じいちゃんと呼んでいました」
メリーナは、やっと少しだけ微笑みながらシンダラにいつもの調子で言葉を続けた。
「つまり、ママもおじいちゃんも無事だって事ですよね♡」
お読みいただきありがとうございました。更新を水曜日、土曜日の週二回、16時前位に更新したいと思います。引き続きどうかよろしくお願いいたします。
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