↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
49/100

第49話「評価」

第49話です。


ついに迎えた結果発表。

FirstDayが出した答えと、その評価が明らかになります。


嬉しさだけでは終わらない、リアルな“今の位置”。

そして、この先の選択へとつながる大事な回です。


ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

ステージ上に司会が戻る。


「それでは結果発表に移ります。本日は上位三組を発表します」


 会場の空気が少しだけ張り詰める。


「第三位――」


 名前が呼ばれる。


 FirstDayではない。


「……まあ、そうだよな」とはじめ。


「次でしょ」と美月。


 ふたばは何も言わず、ただステージを見つめる。


「第二位――」


 一瞬の間。


「FirstDay」


「……お」


 はじめが小さく声を出す。


「やっぱり」と美月。


 どこか納得したような空気だった。


 ふたばはなんとも言えない感じだった。


 ――でもすごいことだと思う。


 それぞれ納得の表情。


 拍手の中、ステージへ上がる。


 スポットライトが当たる。


 でも、どこか冷静だった。


 悔しさもある。でも、それ以上に――納得。


「そして第一位は――Luminous」


 大きな歓声が上がる。


 ルナたちがステージへ。


 あの演奏を見た後では、誰もが納得する結果だった。


「……まあ、そうなるよな」とはじめ。


「あれは強いわ」と美月。


 れいじは静かに頷くだけだった。


 結果発表が終わり、審査員の総評に移る。


「本日はレベルの高いバンドが揃っていました」


 マイクを持った審査員が話し始める。


「特に上位二組は、完成度という点で非常に僅差でした」


 ふたばは少しだけ顔を上げる。


「FirstDay。非常にバランスの良いバンドです」


 会場の視線が少しこちらに向く。


「ギター、素晴らしいですね。音の作り方、フレーズ、どれも完成度が高い」


 れいじは何も言わない。ただ静かに聞いている。


「ボーカルも魅力的です。声質がいい。しっかり届く声を持っています」


 ふたばの手が少しだけ握られる。


「ただ――」


 少し間があく。


「経験値の部分で、まだ伸びしろを感じました」


 ふたばはその言葉を、しっかり受け止めた。


「ここが埋まれば、一気に上に行けるバンドだと思います」


 そこで言葉は終わる。


 ベースやドラムについては触れられなかった。


 ステージを降りたあと。


「……私らは何も言われなかったね」と、美月。


「だな」とはじめ。


 でも、笑っている。


「まあ、わかってたけどな」


「次こそ」と美月。


 その目は、すでに前を見ていた。


 控え室へ戻る途中、ルナたちとすれ違う。


「お疲れ」とルナ。


「おめでとう」と、れいじ。


「ありがと」


 ルナは軽く笑う。


「めっちゃ良かったで」


「そっちも」と、れいじ。


「さすがだった」


 短いやり取り。でも、それで十分だった。


「また近いうちに会えそうね」


 ルナが言う。


「楽しみにしてるよ」


 少しだけ視線を向けて、


「次は、プロとして会えるといいね」


 そう言って、去っていった。


 その言葉が、少しだけ残る。


 控え室に戻ると、数人のスーツ姿の人間が待っていた。


「お疲れ様です」


「レコード会社の者です」


 名刺が差し出される。


「FirstDayさん、非常に興味があります」


 さらにもう一人。


「ぜひ一度、お話させていただければ」


 二社。


 確実に評価されていた。


「ちなみにLuminousさんは……」


 別のスタッフが小さく言う。


「ほぼ全社から声がかかってますね」


「……だろうな」と、はじめ。


 れいじは名刺を見つめていた。


 そのままデビューすることもできる。


 でも――


「……どうする?」


 美月が聞く。


 れいじはすぐには答えなかった。


 少しだけ考えて、ゆっくり口を開く。


「……まだ、決めない」


「え?」


「今のままで、いいのか分からない」


 その言葉に、ふたばは顔を上げる。


「もっとできる気がする」


 静かな声だった。


「このまま行くのは、違う気がする」


 はじめが笑う。


「らしいな」


「だな」と美月。


 ふたばも小さく頷く。


 今日の結果。


 二位。


 それは、すごいことだ。


 でも――


 まだ、途中だ。


 もっと上に行ける。


 そう思えた一日だった。

第49話を読んでいただき、ありがとうございます。


今回は順位だけでなく、“どう評価されたか”に重点を置いた回になりました。

FirstDayは全国の中で2位という結果を出しましたが、その中で見えた課題や伸びしろもはっきりと示されました。


また、Luminousとの関係もライバルとしてより明確になり、今後の物語に大きく関わってきます。


そして、レコード会社からのオファー。

ここでデビューするのか、それとも――。


次回は、FirstDayとしてどんな道を選ぶのか。

大きな分岐の回になります。


引き続き、応援していただけたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。