大人のマナー
明るい店内で、
私はまじまじと、私の正面に座る幼い自分を見つめる。
なんだか・・・懐かしくもあり、すこし羨ましい。
というか、なんだか自分が段々と惨めに思えてくる。
何にも知らない、あの穢れない瞳。
髪を染めることも知らない、天然の黒髪。
与えられた完璧すぎるほどの制服。
( あ~~~~~~~、まったく!!!! )
私は自然と頭を抱えるような仕草をしてしまった。
『 ねぇ・・・ 』
『 ん? なに? 』
『 ねぇ。・・・・・・私が現れて、迷惑? 』
『 は? そ、そ、そんな訳ないでしょう? 』
『 だって・・・、あんま、嬉しそうにしてないじゃん。 』
『 そ、それはさ・・・と、突然すぎて・・・
っていうか、これ、この状況!
何の説明も無いってのも、オカシイでしょ? 』
『 だって、説明できないもん。 』
『 こら、わたし! なに、そこで子供っぽく逃げてるんだよ? 』
『 ほんとだもん。 』
『 じゃあ、あの封筒の おカネは何なのさ? 』
『 ねぇ。 私のこと、嫌いなの? 』
『 な、なんで? 』
『 だって、さっきから意地悪な質問ばっかりしてるんだもん。 』
『 それは・・・さ 』
『 こっちだって、いろいろ知りたいことがあるのに
・・・我慢してるのに・・・ 』
( うわ~~~<泣いちゃったよぉ~~~~ )
って、いうか・・・
もっと、神秘的で、奇天烈な出来事が起こりそうな説明とかさ・・・
あると思ったんだけどなぁ・・・ぁ、あっ?
私は、あることに気が付いた。
もしかして、財布・・・持ってきてない?
あれ?!、あれ??
自身の服のポケットをすべて探ってみる。
しかし、出てきたのは ポケットティッシュ1つだけ・・・・
『 どうしたの? 』
少女の私が泣くのを止めて、私の様子を窺ってくる。
『 ははは・・・。 そうだ、私のパイも食べていいよ。 さっきはゴメンね。 』
『 ホント? 嬉しいなぁ・・・・・あむ、はむ・・・ほんと美味しい!!
・・・・あ、悪い大人の顔してる!! 』
( ははは、そうかもねぇ・・・でも、
赤ずきんじゃないから 食べやしないけどさ・・ )
『 ねぇ、あなた おカネ持ってる? 』
~つづく~




