ターミナルにて
帯広駅に着くと
その日、朝一の札幌行きの改札さえ、まだ始まっていなかった。
しかし、
いくつかの団体客も見られ、
駅は思っていた程の閑散さは無く
構内もきれいで なんか近代的な感じがした。
っていうか、なんか大きいというか広いなぁ
私は、キョロキョロと目を動かし
ゆっくりと静かな足取りで進んでいく。
タクシーの運転手の北八馬さんが、ズバッと
私のモヤモヤの答えを言い当てた場所。
ハルニレの木。
豊頃町にある 町のシンボル的な観光名所。
樹齢130~40年、高さ18mほど
2本の木が寄り添って1本の木に見えることから
永遠の愛とか、恋人たちの恋愛成就?
としても人気のあるスポットらしかった。
でも・・・。
『 ただ、木があるだけだからなぁーーーー。 行っても、つまらんかもよ? 』
『 なんか お店とか・・・ 』
『 ないない。 木を一望できる建物があるだけだったかなぁ 』
『 自販機とか・・・ 』
『 ないない。 トイレは有ったと思うが・・・ 』
『 うわっ、すっごい大自然の中にあるんですね? 』
『 ははは・・・。 ただ、何もないところにあるだけだよ。 』
『 そ、そうですか? 』
『 ああ。』
豊頃は・・・
浦幌町の隣り町。
ちょうど、あの銃撃戦が行われた付近かなぁ?
帯広からだと、どれくらいの距離なんだろう・・・。
『 行くなら鈍行列車の方が安いべ。 千円も掛からんさ。
場所は昔の大橋渡った、すぐの河川敷だ。
ワシも暫く行ってないけど・・・かわっとらんべ? うん。 』
そう言い、北八馬さんは自身の言葉に自身で納得しているようであった。
『 気を付けて、行っといで。 』
『 はい。 』
『 機会があったら、今度は客として乗ってや。 少しくらい負けとくで。 』
『 その時は、よろしくお願いします。 』
『 あいよ。 』
( 北八馬さん、本当に ありがとう。 )
わたしは、切符売り場上のきっぷ運賃表を見つめる。
札内、稲士別、幕別、利別、池田、十弗、豊頃
帯広から7番目の駅。
おとな740円。
ちなみに、豊頃、新吉野、浦幌、上厚内と続く。
続いて時刻表を確認する。
え~~~と、浦幌・釧路方面行は・・・
6時20分・・・。
6時20分?
あ、あと8分?
そして次の汽車は・・・・10時14分って、
4時間後じゃん!!!
( ヤバイ!! これを乗り遅れたら、大変なことになる!! )
わたしは慌てて千円札を自動券売機に入れ、
ボタン操作をしていると、
ちょうど左隣から、可愛らしくも美味しそうな声が届いてきた。
『 お弁当はいかがですか? 出来たて帯広名物・豚丼、
ぶたどーん定食はいかがでしょうか? 』
若くて綺麗な凛とした女性の売り子さんが少し不釣り合いな
割烹着を着て、呼び込みをしている。
( あ、豚丼・・・。 そういえば、あの子と、約束してた・・・よね? )
でも、1個 1200円って・・・
2つだと・・・2400円? 当たり前だけど・・・。
なんか・・・た、高く感じる・・・。
でも・・・・・。
『 あ、あれ!? 』
わたしは、豚丼の匂いと値段を忙しく見比べるなか
もう一つ、気になることが・・・。
あの売り子さんの顔、何処かで見かけたような気がする、のだ。
いったい、どこで見かけた顔だったかしら・・・?
~つづく~




