表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
38/50

夜明けのコーヒー





また、一人になってしまった。


いや、違う。


一人なのは、あの子の方だ。



自販機のホットコーヒーを飲みながら、

近くにあるであろう帯広駅を目指し、

取りあえず歩き出す。



あの子は、木の下にいると言っていた。


遠くから見ると1本の木。

近くで見ると、2本の木。


いったい、どういう意味だろう。


何かの名所かしら?


それとも、なぞなぞ?



コーヒーの空き缶をコンビニのゴミ箱に捨て

すぐに店内へと入らずに、少し考える。



あの子に、なんて声を掛けようかしら・・・?

いや、あの子って・・・本当は いったい 何者?

もし、再会できたとして・・・いつまで、こんな関係が続くの?


さっきの別れ・・・。

吉川さんや、巴菜さん、爺やさん・・・そして、まつりちゃん。


いつかは、別れが訪れるんだろうし・・・


でも・・・。


あ~~~~。 考えがまとまらない。




『 にゃ~~~ 』 

『 えっ? 』 


わたしは、その小さな泣き声に耳を疑った。


瞬時に自分の足元を見ると、クロネコが一匹

私の足に纏わりつくように身体を揺らしている。


( こ、これは・・・・あの時の、コンビニのクロネコ? )


『 まさか、ね・・・? 』

『 おい、あんた! 』

『 ふぇ!!! しゃ、しゃべった!!!!? 』 

『 なに言ってんだぁ! こっちだよ! 』 

『 え? 』 


私はクロネコから声を掛けられたと思って、びっくりしたが

実際は そうではなかった。


私は声のする方に視線を伸ばしてみると

コンビニ前の駐車場に タクシーが一台。 その隣りに

少し禿上がった、タクシー運転手の制服を着た男性が一人。

缶コーヒーとタバコを持ち立っている。

そして、その彼の視線は私に向けられている。



( 声を掛けたのは、あの人? )



『 あんたさ、もしかして・・・夜中、国道を歩いていた人かい? 』 

『 え? 』 

『 豊頃・・・いや、幕別の手前だったかなぁ 』 

『 あ、あの・・・ 』 

『 いや~~~、あんたに似た人を昨晩見かけたもんでね。 』 

『 はぁ・・・。 』 

『 いやぁ、その日は久々の 「 オバケ 」 でね・・・ラッキーだったのさ 』 

『 おばけ? 』 

『 あぁ、音別までの 「 オバケ 」 でね。

その帰り道で、あんたに似た人を見かけて・・・ 』 


私は露骨に怪訝そうな顔を向けたんだと思う。


そのタクシー運転手は、すぐに 詫びを入れながら

くわしい説明をし始めた。






~つづく~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ