ストラテジー
『 ひまり。 まつり。 』
少年の呼びかけに、2人の少女は無言で頷いた。
今、3人全員が身を屈め 銃を構えている。
銃を持っていないのは、3人の背中で自身の身を隠している自分だけ。
( こ、これから、どうなるの? )
そんな悠長な私の疑問を弾け飛ばすくらいに、
それは、唐突に始まった!!!!!!
ダダダッダダダッダ。
ダダダダダダッダダダッダッダダダダッ。
ドン、ドン、ババッババババッバ。
ババババッバ。ババババッバ。
ダ、ッダダダッダダダッダ。 ダダダッダダダッダ。
ダダダッダダダッダ。
ババババッバ。ババババッバ。
ダダダダダダッダダダッ、ン。
機関銃や断続的に聞こえてくる銃声に、
私は気を失いかけそうになる。
私たちのすぐ側を銃弾が、シュッーーォン とすごい音を立てて
かすめ飛んでいく。
その度に、
私たちを覆っている薄白い炎のようなモノが、すごい勢いで靡いていく。
しかし、3人の少年少女は微動だにせず、防戦一方。
銃を構えているだけだ。
相手からの一方的な銃撃を受け続けている。
『 ちょ、ちょっと!! う、撃ち返さないの!? 』
『 黙って。 』
『 でも、これじゃあ・・ 』
『 まだ、場所を移動していない。 』
『 え? 』
『 それに、探しモノが、まだ見えない。 』
『 ? 』
私は少年の無言で尖ったような神経に気が付いた。
少年は全然動かず、狙撃用のスコープで何かを一心に見つめている。
『 お兄ちゃん。 見えた? 』
『 あぁ。 いま、見えた。 』
( 見えた? って、何が? )
ドッッヒューィーーン。
少年が放った一発の銃弾。
それは、一瞬の出来事だった。
そう、それは
たった今、人が一人・・・撃ち殺された瞬間だった。
キューュオォーォーーーワゥ。
あの、拡声器の独特の嫌な音が届き、
その後、一秒ほどで銃声が止んだ。
『 あわわわ・・・ぁあ!!! 』
『 今、指揮官を殺った。 これで、敵の出方を見る。 』
少年が私に説明するように、そう淡々呟いた。
『 気にしなくていい。 彼らは人間じゃないから・・・。 』
『 ぇ? えっ!? 人間でしょ!? 』
『 違う。 』
『 じゃあ、何なの!? 』
『 人間の皮を被った、バケモノよ。 』
少年の代わりに、冷静な声の少女が答えた。
そ、そんな・・・
これって、いったい・・・。
あなたたちは何者なの?
そして、銃を撃ってくるこの集団は・・・?
ダダダッダダダッダ。
『 ひゃん。 』
小さな少女の驚いた声が届いた。
( え?・・・・終わりじゃ、ない!? )
ダダダダダダッダダダッダッダダダダッ。
ドン、ドン、ババッババババッバ。
『 あかり・・・。 』
『 お、にいちゃ~~ん。 まだ、撃ってくるよ。 』
少年は、二人の呼びかけに しばし沈黙したが
すぐに一言、真剣な声で呟いた。
『 ストラテジー B に、変更。 』
『 わかった。 』
『 うん。 』
3人が、それぞれ頷き、
そして、顔つきが少し変わった気がした。
私は、その変化に少し早口で、冷静な少女に質問する。
『 ねぇ、ストラテジー B って、何!? 逃げるってこと!? 』
『 違う。 』
『 じゃあ、なに? 』
『 鏖。 』
『 はっ? 』
『 みなごろし。 』
冷静な声色が、より残酷な響きを持って
銃声と共に 私の耳に届いた。
~つづく~




