堂々巡りの銃撃戦
ダダッダダダダッダダダダダダ。
ガッ、ッガガッガガガガガ。
ヴァヴァヴァヴァッヴァヴァーン。
ダダダダダダッダダダッ、ン。ァ。
ババッバッバッバッバ。
ダッッダダダダダッダダダッ、ン。
それぞれの殺意が銃声と共に発せられ
私は、本当に気を失いそうになる。
ダダッダダダダッ。
シュゥーーーーォン。
私の耳に、恐怖を通り越し感覚を麻痺させる
凄まじい音が何度も聞こえてくる。
昔、彼氏と観に行った映画がある。
それは、ソマリアを舞台にした戦争映画だった。
最初の30分以外は、すべて戦闘シーンの映画。
あれを、うっすらと思い出した。
あの時、私は鑑賞後に吐きそうになってしまったが、
今はどうだろう?
いま、渦中の私は、そんな余裕も無く
もうパンツは・・・恥ずかしながら ぐっしょりだ。
( あぁ・・・私は、生きて ここから帰れるのだろうか・・・ )
ダダッダダダダッ・・・カタッ。
カン、カシャ、ダダッダダダダッダダダダダダッダダダダッダ・・・・
弾切れになっても、すぐに弾倉を取替える。
決して殺意が途切れることはない。
そう、やらなければ・・こっちがやられる!!!!
まるで、戦争。
少年少女にとって、これは生きる戦い。
それは、もちろん・・・・
私にとって・・・でも、あるはずだが、
今は全くの傍観者。 お客さん状態だ。
それが、恥ずかしくもあり、なんだかやるせない感じもする。
「 私にできることは? 」 と
聞けない、参加できない自分がいる。
ババッバッバッバッバ。
ダッダダダダッダダダン。
『 あかり・・・。 』
『 まつり、大丈夫か? 』
『 おにいちゃん、全然減らないよ。 逆に増えてるよ~~! 』
『 あかり、悪いが・・・もう、シールドが持ちそうもない・・・。 』
( え? )
私は自身の身体の覆われた薄白い炎を確認する。
確かに、最初に比べると・・・かなり薄くなっている。
透明になるのも時間の問題・・・なの?
『 ひまり、伏せろ!!!! 』
『 ひぇ!? 』
小さな少女が少年に覆いかぶさる。
その瞬間、シューーーーーーーッと 猛スピードの大きな弾丸が 彼らの脇を通り過ぎた。
『 もう、一発来る。 右へ。 早く。 』
冷静だが緊迫した声が、矢継ぎ早に届く。
シューーーーーーーッォーーーン。
『 うわぁ~~~~ん。 』
小さな少女の泣きそうな声が銃声と共に聞こえる。
『 あかり。 RPG-7 を持ったヤツが2人。 』
『 お、にぃちゃん・・・。 』
『 ひ、ひまり・・・。 』
『 パンツ・・・よごしちゃったよ~~~。 』
『 そう・・か。 わかった。 泣くんじゃない。
これが終わったら、コンビニに寄ろう。 な? 』
『 あかり。 そ、その・・・私の分も お願い。 』
『 まつり・・・。 』
『 2発目が来たときに、少し・・・。 』
少年は2人に頷き、そして私にも顔を向けた。
私も、ゆっくりと恥ずかしそうに頷いた。
( 私なんか、最初っから ズブ濡れだよ~~~ )
少年は、少し笑みを浮かべて 無言で返答した。
( 終わったら、パンツを履き替える? )
人は、笑うかもしれないが
そんなことでも 考えないと
この状況・・・この好転しない戦況に
飲み込まれそうになる。
『 お兄ちゃん、マガジン(弾倉)が あと一個だよ~~~。 』
『 私は2つ。 私のを一つあげる。 よく狙って。 』
『 うぅん。 ありがとう。 』
少年少女たちの言い知れぬ正義が
一つ一つ、敵を撃ち倒していく。
しかし、次から次へと溢れ出すゾンビゲームのように、
当初の倍近くの敵が消えては、また現れる。
生死を掛けた 堂々巡り。
そして、
形勢がなかなか好転しないなか、少年は ある決断をした。
それは、いつの間にか
手のひら程の大きさとなって、その場に存在していた
光のトビラを再び大きくし、
『 退避する。 』
と、短く宣言した。
~つづく~




