表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
11/50

見知らぬ旅客鉄道にて





カタン、コトン。 カタン、コトン。 カタン、コトン。



一定のリズムを刻みながら、列車に揺られている。

ベンチシートの座席に座る私たちは

窓の外を見ても、辺りが真っ暗で窺い知れない。



1両編成の鈍行列車。


乗客は私たちを入れて6人ほど。

座高の低い人がいたら、もっとか?



( それにしても、何処に向かっている列車だ? )



『 おねえちゃん。 今度は汽車に乗ってるね。 』 

『 ・・・うん。 』

『 この汽車、何処に向かっているんだろ? 』

『 ふ~~~~~~っ。 』

『 ねぇ、どうかしたの? 』


『 今度は、かなりヤバイわね。 』

『 おねえちゃん? 』


『 だって。 私たち、おカネ持ってないのよ! どうするの、これ? 』

『 だって、しょうがないじゃん。 』

『 しょうがない? 』



( あ、そうだ! あの光。 あの光のトビラが、この電車の何処かに・・・ )


私は再度、周りを必死に見渡してみる。


しかし、薄明るい車内に光り輝くモノなど・・・ありは・・・しない。



でも・・・


あっ、あのポスター・・・。



【 港で白糠大漁まつり、開催!!! 】



( しらぬか・・・って、何処だ? )



まぁ、それは後にして・・・。

 

ポスターは、今年のモノ。 それも、来月開催ということは・・・

これは場所だけを、移動しているということなのかなぁ

変な世界や、異次元、タイムトラベルなどの過去や未来への旅でも無さそうだ。


これは、これで ひと安心か?


いや、そうじゃないよね・・・。




『 次は上厚内、上厚内。 お降り口は左側になります。 』 



『 お姉ちゃん。 かみあつない、だって。 』

『 聞こえたわ。 』

『 ねぇ、何処だろうね。 かみあつないって 』

『 し、知らないわよ。 で、でも・・・・ 』


( ど、どうする? )



列車はカーブを曲がったのか、少し車両が傾く。


その勢いで、少女の私の顔がスッと近くなった。


彼女は純真な笑みを浮かべている。

それは、心から嬉しそうな笑顔だ。


それに比べて、窓ガラスに映った自分の顔はといえば・・・


恥ずかしい。





『 上厚内。 上厚内。 ご降車の際は忘れ物など無き様に お気を付けください。 』 



車内アナウンスが流れるのと同時に、駅のホームの外灯の明るさが

パーーッと入ってくる。



( あっ! )



私は、小さな私に

『 ここで、降りるわよ。 』 

と、強引に彼女の手を引き、開閉ドアの前に立った。



『 ここで、降りるの? 』 

『 そうよ。 』

『 なんで? 』


『 だって、ここは・・・ 』



そう、片田舎特有の無人駅だったから。







~つづく~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ