見知らぬ旅客鉄道にて
カタン、コトン。 カタン、コトン。 カタン、コトン。
一定のリズムを刻みながら、列車に揺られている。
ベンチシートの座席に座る私たちは
窓の外を見ても、辺りが真っ暗で窺い知れない。
1両編成の鈍行列車。
乗客は私たちを入れて6人ほど。
座高の低い人がいたら、もっとか?
( それにしても、何処に向かっている列車だ? )
『 おねえちゃん。 今度は汽車に乗ってるね。 』
『 ・・・うん。 』
『 この汽車、何処に向かっているんだろ? 』
『 ふ~~~~~~っ。 』
『 ねぇ、どうかしたの? 』
『 今度は、かなりヤバイわね。 』
『 おねえちゃん? 』
『 だって。 私たち、おカネ持ってないのよ! どうするの、これ? 』
『 だって、しょうがないじゃん。 』
『 しょうがない? 』
( あ、そうだ! あの光。 あの光のトビラが、この電車の何処かに・・・ )
私は再度、周りを必死に見渡してみる。
しかし、薄明るい車内に光り輝くモノなど・・・ありは・・・しない。
でも・・・
あっ、あのポスター・・・。
【 港で白糠大漁まつり、開催!!! 】
( しらぬか・・・って、何処だ? )
まぁ、それは後にして・・・。
ポスターは、今年のモノ。 それも、来月開催ということは・・・
これは場所だけを、移動しているということなのかなぁ
変な世界や、異次元、タイムトラベルなどの過去や未来への旅でも無さそうだ。
これは、これで ひと安心か?
いや、そうじゃないよね・・・。
『 次は上厚内、上厚内。 お降り口は左側になります。 』
『 お姉ちゃん。 かみあつない、だって。 』
『 聞こえたわ。 』
『 ねぇ、何処だろうね。 かみあつないって 』
『 し、知らないわよ。 で、でも・・・・ 』
( ど、どうする? )
列車はカーブを曲がったのか、少し車両が傾く。
その勢いで、少女の私の顔がスッと近くなった。
彼女は純真な笑みを浮かべている。
それは、心から嬉しそうな笑顔だ。
それに比べて、窓ガラスに映った自分の顔はといえば・・・
恥ずかしい。
『 上厚内。 上厚内。 ご降車の際は忘れ物など無き様に お気を付けください。 』
車内アナウンスが流れるのと同時に、駅のホームの外灯の明るさが
パーーッと入ってくる。
( あっ! )
私は、小さな私に
『 ここで、降りるわよ。 』
と、強引に彼女の手を引き、開閉ドアの前に立った。
『 ここで、降りるの? 』
『 そうよ。 』
『 なんで? 』
『 だって、ここは・・・ 』
そう、片田舎特有の無人駅だったから。
~つづく~




