第34話 フレンドリーは時々胡散臭い
――ピピッ
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ルーモアが書類を書き終えると、僕たちは彼に連れられて警察署まで向かう。その道中、僕たちはルーモアと少し距離をとって話す。ルーモアに聞かれないよう、やや小声で。
「なーんか釈然としねぇんだよな……」
とはいえ、エクエの不満そうな雰囲気は明らかにルーモアへ伝わっているだろう。
「まぁまぁ、エクエ。僕たちはルーモアに迷惑を掛けちゃった側なんだから彼の指示に従わないと」
しかし、エクエはまだ口先をとがらせたままである。
「それについては納得してる。でもなぁ、前回の観測では治安が悪化してるなんて話されてねぇんだよ、オレ。だからこそ、油断してて追われちまったんだって今になって気づいたんだ。オレ、ルーモアに信用されてなかったんだともな」
確かに、エクエが事務所に帰って来た時、追いかけられていたため逃げて来たと言っていた。それに、ルーモアによれば現在の治安の悪さはそこまでではないから大丈夫だとも。
しかし、いざ今回の観測が始まってみると、ルーモアの発言は真逆になった。治安は表面上で見るよりも悪化しているということを教えてもらえたし、出会ったのが早かったにもかかわらず僕たちは廃教会付近の区域をあてがってもらえた。
前回の観測との違いは、僕たちの存在。その僕たちとは、僕とリアスとヴェルス。エクエとマティは含まれない。というより、マティは「不在」に切り替わったことになる。ただ作戦自体はエクエが主導である。
「きっとルーモアが特殊なんだよ。こういう状況下にずっといると、人間不信になっちゃうんじゃないかな。特にフレンドリーに接してくる相手は要注意ってね」
エクエは若干目を見開いて、それからすぐに俯いた。
「そっか……、オレそういう接し方しか知らねぇし、今まではそれで何とかなってたんだよな。フレンドリーに接しない……か」
僕は再びルーモアが特殊なんだと伝える。エクエのそのフレンドリーさは決して捨ててはならない能力だし、反省してその能力が軽減されてしまうのは非常に良くない。
「いやいや、フレンドリーに接する方が大事な機会の方が多いって。その証拠に、今まで何とかなってたんじゃないかな?僕とエクエが今こうして隣に立って歩けているのも、エクエが僕に対してフレンドリーに接してくれたからだよ」
――ピピッ
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