第27話 共犯者
――ピピッ
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リアスとヴェルスはまだ帰ってこない。日はとうに沈み、時計の針は一つになろうとしていた。
「流石に遅いよね。心配だけど、警察とかにいけばいいのかな?最悪行方不明届的な奴を……」
「そうだとしても、朝までは何も出来ないだろうな」
朝まで待つと言っても、作戦の振り返りや雑談のネタも心なしか切れてきた気がする。それに、やはり二人のことが心配だ。
「もしこの事件が結構な大ごとになっているとすれば、殺された彼と一緒にこの家に向かった僕達も取り調べとか受けるんじゃないかな」
「やべ、俺忘れてたわ。口裏合わせ?とかも考えねぇと」
観測の前、エクエに言われた言葉を思い出す。エクエは僕たちに推理小説を読んだことがあるかどうか聞かれた。だから、探偵側に回る未来があるのではないかと、心の中では思っていた。しかし、現実には僕たちは今犯人側にいる。
不動産屋を殺したのは僕たちではない。しかし、殺した犯人は僕たちが殺して死体は隠してある。僕たちは任務を遂行するために捕まってはならない。捕まったら廃教会の担当者がいなくなり、観測は失敗する。折角ルーモアと運よく知り合いになれたのだ。ここまでの軌跡を失いたくない。
「僕たちが考えなきゃいけないのは、リアスとヴェルスを釈放させ、かつ僕たちの殺人を隠ぺいする証言になるのかな」
エクエは唸りながら考え込む。
「はぁ……、俺やっぱこういう難しいこと考えるの苦手だわ」
僕だって犯罪者の経験がないのだから、難しい。しかし、僕はふと思いつく。
「エクエ、逆に考えてみようよ。今の状況に相応しい偽の証言を作るんじゃなくて、先に偽の証言を作ったらどうかな」
「アズマ、それはどういうことだ?」
エクエは理解できないとでも言うように首をかしげている。
「偽の証言に合わせて現場に新たな証拠を残すってことだよ」
この時代の捜査は、僕が住んでいた現代と比べてレベルが明らかに低い。特にこの街は少し大きいだけで田舎の地方都市。最先端技術は持っていないはず。新たな証拠を残しても、数時間の差なら彼らの技術を以て調査しても分からないだろう。
「だいぶリスクのあることをするな。でも、今の俺たちにはそっちの方が相応しそうだ」
そう。これはギャンブル。僕はこの街の捜査技術がどこまで発展しているのかを全く知らない。この時代がモデルだから、田舎だからとなめているといっても過言ではない。
だが、捜査技術が発達していなかったら、パピリオのような私立探偵が刑事と推理バトルを繰り広げるような物語が展開されることはなかったはず。だからこそ、ギャンブルだけれど僕には自信がある。
「僕も共犯者になるよ、エクエ」
――ピピッ
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