第22話 大虐殺の首謀者
――ピピッ
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「んで、まぁオレたちはなんやかんやで十代半ばくらいまでは成長したわけ。でも問題はそこからだ。ヨハナの両親がスラム街への配給と称して毒入りのパンを配給してたのをヨハナが見つけたんだ。それでヨハナは家と縁を切り、それにオレもついていくことにした」
物語でもよく見る腐敗した貴族というのはやはり存在するのか。確かに、歴史の授業でも当時の政治や反乱について習った気がする。
「これは後から分かったことなんだが、ヨハナの両親はパンに毒が入っていることを知らなかったらしい。なんでも他の貴族から横流しにされてたんだとよ。ま、これはオレが天上図書館で独自に調査したことで分かったことだ。当時にそれを知れればよかったんだが。そうとは知らず、オレたちは城下でレジスタンスを組織して反乱を起こすことになった」
そこでエクエは僕の方へと視線を向ける。
「アズマなら歴史の授業で『アルブムス領の大虐殺』ってのを目にしたことがあるんじゃないか?詳細が不明だからって年表ぐらいにしか記載されてないと思うんだが」
アルブムス領の大虐殺。確かに記憶にある。それどころか、僕が死ぬ前に受けていた歴史はちょうどエクエたちが生きていた時代から少し後くらいの時代であった。確かに詳細は説明されていなかったし、調べても情報が出てこなかったから記憶に残っている。
「うん。調べても全然情報が出てこなかったから、逆に記憶に残ってる」
エクエは僕から視線を逸らすと、そんな昔のことを思い出すかのように虚空を、しかしどこか遠くを見つめる。
「確か、今の時代では『商人が交易に訪れたら処刑場が死体まみれになっていた。処刑された人物の記録を見るに、レジスタンス組織のリーダーが処刑されたらしい。どうやらそのリーダーはアルブムス領主の元娘のようだ』くらいにしか語られていないらしいな。何故なら虐殺により目撃者は一人として残されていないからだ」
確かに、そのくらいだった。しかも、エクエが言っている内容は論文くらいでしか語られていない内容になる。調べたとき、たまたまネットにも掲載されている論文をチラッと読んだのだ。だいたいが憶測だったけれど。
「理由は簡単だ。ヨハナが処刑される現場にオレも連れてかれて、オレは理性を失って暴れ回り、老若男女敵味方問わず殺しちまった。が、理性を取り戻した時には時すでに遅し。ヨハナも息絶えていたし、レジスタンスの仲間たちはオレの刃で裂かれていた。その後オレの剣を持って現れたヨハナの父親と相討ちになってオレは死んだ」
――ピピッ
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