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バッドエンド・リバイバルズ  作者: ストラド
第二章 忠騎士の章

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第12話 主人公はここにはいない

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様の閲覧を認識しました。

「ま、オレたちの過去なんて聞いても面白いもんじゃないけどな」


 エクエはどこか遥か向こうを見るように、落ちかけている夕日へと目を向けた。


「貴族の偽善に嫌気がさして、抗って、でも失敗して、ヨハナは処刑。オレはさらに抗おうとして、最終的に自分の剣で刺されて死んだ。オレが物語の主人公だったら、ヨハナが物語の主人公だったら、あいつらに勝てたのかもしれねぇな。『主人公パワー』。この仕事してると逃れられない絶対的な、運命的な力がとんでもなく欲しくなっちまうことがよくあるんだよな」


 エクエは気に病むなと僕の肩を軽く叩いた。


「ま、オレたちに介入されたら人生が変わっちまう物語の登場人物たちと違って、オレたちの運命は一つだけ。過ぎたことは代えられねぇし、ヨハナの側にいられるだけでオレは満足だ。だからアズマ、あんまり気にしないでくれよ。アズマだってあるだろ?許せない運命の一つや二つ」


 もちろん、ないと言えば嘘になる。家族が殺されたこと、心の汚い大人に囲まれたこと、この殺人事件が解決していないこと。それからあのタイミングで死んでしまったこと。僕には丁度練習中の演劇があったし、幼馴染のセイの前で死んでしまった。


「そうだね。もちろん、僕だってそういう運命はあるよ。正直あのタイミングで死んじゃったことだって恨める相手がいるのなら恨みたいよ」


 リアスもうんうんと頷いている。


「その気持ち、私もよく分かります」


 しかし、そんなリアスにヴェルスはたった一文字で不満を表す。


「は?」


 一気にあたりの空気が悪くなるも、エクエがすぐにその雰囲気を払ってくれた。


「ま、主人公だなんだっていう話は一旦置いておいて、拠点を決めようぜ。取り敢えず教会の側だろ?で、別に今回はホテルや宿屋で宿泊することによる偽装が必要ない訳だから、空き家とかでもいいわけだ」


「となると、不動産屋に行くのは?そこで空き部屋を確かめて家賃を払って借りてもいいんじゃないかな。係長から貰ってた宝石を見るに、結構資金ありそうだし。最悪の場合空き家だけ確かめて不法占拠するというのもこの街の現在の治安的には許されるんじゃないかな」


 僕は近くの路地でどこからか盗んできたであろう金庫を破壊している大男の方をちらりと見ながらそう言った。路地裏の大男だからと言って、必ずしもマグナスのような男だとは限らないだろう。というか、マグナスの方が珍しい部類だと思う。間違いなく。


「お、アズマ意外とそういうの行けるタイプ?アズマは結構真面目で頑固でお堅い子だと思ってたぜ」


「あはは、よく言われる」


 学校でもよく言われていた。というか、そもそもそう勘違いされているのが要因で友達があまり多くなかったし。「普通」になって、周りに溶け込もうとしたかっただけなのに、変に空回りしていた記憶がある。「普通」になるのは、結構難しい。

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様が情報を読了したことを認識しました。


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