第13話 トラウマ
――ピピッ
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ガチャリ
扉が開く音がした。思っていたよりも早いご帰還だ。
マールスは一体どんな「相棒」を選んだのだろうか。きっと私の知らない「相棒」だと思うけれど。素行が悪い奴でなければ正直誰でもいい。
私は手に取っていた書類を机の上において振り返ろうとしたが、それは誰かの両手によって阻止された。背後の気配からして、ミストではない。では一体だれが……
「久しぶり、オレのこと、覚えてる?」
あぁ……
忘れもしない。あれから1,000年はとうに経っていたけれど、この声を忘れるわけがない。
背筋がゾッとする。全身から冷汗が噴き出る。体が、精神が、何もかもが彼を拒否している。
あの時から何も変わっていない。この喋り方は、このテンションは、間違いなく「猫」のもの。
「……ミミズクちゃん」
胃に何も入っていないというのに、吐き気が込み上げてきた。
――ピピッ
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