第20話 世界図書館バベル
作者諸事情によりこの作品の最新話掲載を2〜3週間ほどおやすみさせていただきます。
ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。
なんか暑いな。
氷の下のはずなのにどうしてだろう。
暖房が聞きやすい部屋なのかな。
アッッツ
後ろを振り返ると入口が燃えていた!?
とりあえず逃げよう全力で。
不思議なことに俺は走っている間誰ともすれ違わなかった。
本が燃えていく。
勿体無いなと思ったので一番いい値段がつきそうな本をもらっていった。
たくさんあるからバレないよね、きっと売ってもバレないよね、
読んでから売るのはセーフだよね
そんな煩悩が俺の頭をよぎった時ちょうど炎が俺の背中をかすめた。
バチが当たった。
やっぱり犯罪は良くないよね。
俺がそっと本を戻した。
バケツを使って火を消そうと健闘している老人を見かけた。
テオフラトゥス?
近づいてみると
残念、人違いだった。
とりあえず逃げるように言っておこう。
「早く逃げたほうがいい。この炎はそんなバケツの水じゃ消せない。」
「これはわしの夢なんじゃ。わしが見つけた宝の宝庫なんじゃよ。わしはこの図書館を、偉大なる過去の文献を守りたい。たとえわしの命が尽きようとも。」なんだか重い話みたいだ。
だがやるべきことは決まった。
この老人を助ける。
というかこのまま下に逃げても最後追い詰められて燃え尽きてしまう。
「俺も手伝うぜ。」まずは本を安全な場所に移動させよう。
俺はみようみまねでこの魔法を放った。
「転移」
うまくいった。
どこに飛んだかはさておきうまく移動した。
その頃寒都とある広場で
バンッ
本棚が出現した。
「うわ!なんだあれ!」近くにいた人たちが驚いている。
図書館
「どうして見知らずのわしを助けてくれたのじゃ。」老人が聞いてきた。
「困ってるやつを助けるんが力あるもんの使命やから。」ちょっとカッコつけてフォルテが言っていたセリフを言ってみた。
一度でいいから言ってみたかったんだ。
というかそんなことしている場合ではない。
「何か魔法使えない?」俺はダメもとで聞いてみた。
「消火器の魔法なら持っておるぞ。」
やっぱり持ってないか、え!持ってるの!?
しかも消火器の魔法!?
最初からそれ使えよ!
「それ使えばいいじゃん。」老人が、あ!というような顔をした。
忘れてたの!?
魔力切れとかじゃなくて!?
ということで俺は老人に消化を任せて本を転移させる仕事に集中した。
一応いうがどこに移動させているのかはわからない。
でもいますぐにでも燃えそうなここよりはマシな場所だろう。
寒都とある広場
ドンッ ドンッ ドンッ
新たに何段も本棚が増えていた。
野次馬も増えていた。
図書館
「本当にありがとう。この図書館と貴重な本を救ってくれて。」
炎はすぐそこまで迫っている。
「俺は大したことはしてないよ。でもなんでそんなにこの図書館にこだわるんだ?」
俺は聞いてみた。
聞くなら今しかないだろう。
「ここはわしらの人生そのものなんじゃよ。わしがまだ若い頃、この地で遭難した時に氷の下に埋れていたこの建造物を見つけた。始まりはそれじゃ。」
そういえば誰かがこの図書館は近年見つかったとか言ってたような、言ってなかったような・・・
「そして調査団の調査の結果ここの塔に大量の文書がある事がわかった。重要な文献もいくつもあった。ほとんどはボロボロで読めたもんじゃないがね。やがて時がたちこの図書館を一般解放しようとなった。少しづつ本を増やして道を整えて、そして気づけばこの図書館は町の、地域の、国の重要な図書館になっていた。大戦中もなんとか戦火をまぬがれて奇跡的に無事じゃった。そして帝国が世界中央図書館にしたいとの伝言があっての。当時のわしは国を滅ぼした帝国に文献を渡すことは嫌じゃった。だがの、本とは、すなわち平和の象徴なのじゃよ。だからわしは引き受けた平和な時代の新たな幕開けのために。そしてここはみんなが使える平和な場所になっていった。そんなわしらの努力と平和の象徴なんじゃ。ここはの。だからわしは守りたい。この命に変えても。」なるほど。
「俺も絶対守る。この図書館を。」
その時俺たちの足元で何かが光った。
一瞬だった。
次の瞬間俺たちは謎の地下空間に飛ばされていた。




