第16話 勇者の軌跡
「お前は今誰と“契約“したんだ。」瀕死だったペインが急に力を増して回復した。こんなことができるなんてもしかすると魔王よりも強力な存在が背後にいるのかも…。
「私が今誰と契約したかなんてどっちでもいい。大事なのは私が今からあなたたちを叩き潰せるようになったこと。ただそれだけよ。」そう言ってペインは魔法を唱えた。
『憎しみの炎』
とてつもない大きな力だ。新魔王城の一部が衝撃で壊れた。
「グワーー」魔法は俺たちに直撃した。
「さあこれで終わりよ。エルフの人間への憎しみを思い知れ!」
『永遠憎悪』
「でも、俺たちは負けるわけにはいかない。過去にお前たちがどんな目にあってようと今生きている人たちを傷つけるのは許されないことだ。それに憎しみの果てには悲しみしか生まれない。だからあの魔法を俺の全力ではなつ!」
『太陽王の魔法』
ペインは吹き飛んだ。あの魔法に勝てるかどうかは正直賭けだった。
がうまくいったようだ。
「私は今のエルフの王。だから前けるわけにはいかない。たとえどんな手を使っても。」そういてペインは走っていった。城の地下へ。おそらく最終兵器はそこにある。俺たちは地下室へ入った。
部屋にはいくつもの資料や実験器具が並べられていた。
だが一番目を引くものはなんと言っても黄金のボタンだ。
ポチッ!
ペインがボタンを押した。
城が空へ動き出し、山が割れようとしている。
「あなたたちはこれから知ることになるわ。この山、そして『オリンポスの雪男』の真実を。」
時間は少し遡りアーサーたちがペイント戦っていた頃
魔王と勇者の戦いは苛烈を極めていた。
「私は勇者あなたを討伐する。」
「いや、もう魔王が勇者に討伐される時代は終わりだ。」
[魔王の爆炎]
[神の聖炎]
二つの神話級魔法が衝突した。
どちらも大ダメージだ。
だが、アビスはみるみる傷が回復していく。
この勝負は圧倒的に人間の私が不利だった。
そしてついに最期の時はやってきた
「とどめだ勇者。」魔王は剣を抜き私に勢いよく振りかざした
その時昔の記憶が一気に脳内に流れ込んできた。これが噂の走馬灯なのだろう。
数年前の大戦中、私は一族の他の者たちよりも弱かったからだろうか私の本当の両親は私をあの町のあの家のあの占い師のもとへ預けた。
それから間も無くだった、両親の死が告げられたのは。
その時11歳だった私には悲しすぎる出来事だった。
終戦間際だった。
後数ヶ月、たったの数ヶ月生き延びてくれていたら私はあんなに悲しまずに済んだのに。
もし時間を戻れるのなら・・・
そんな絵空事を考えなかった夜はない。
両親を失った私を励まそうと養父母は私に占いを教えてくれた。
養父母は腕の立つ占い師夫婦で終焉の大予言を占ったのも彼らだ。
だがその予言は唯一彼らが外した予言となっている。
私には信じられない、それまで的中率100%をほこっていた予言が外れるなんて。
そしてその数年後私の人生の転機が訪れた
それは私が師匠に弟子入りしたこと
人々を救っている師匠に憧れたから
1年後
師匠は突然いなくなった
なんの伝言も残さず、消えたように
そして何ヶ月か前私は勇者になった。
突然だ
なぜ!?
と思ったが決まったことは変えられなかった。
それに私よりも師匠の方が優れた勇者になれただろうに
つい一週間前、今私が戦っている魔王アビスに故郷は滅ぼされ、優しくしてくれた騎士団やパーティーのみんな、そして養父母は皆
殺されてしまった。
私の人生いいことなかったな。
だけど
私はまだやり残したことがある。
勇者としての使命も全うできていない。
だから、私はまだ生きていたい。
その時私の頭の中に声が響いた。
「僕はジョーカー。契約しよう。そうすれば魔王を討てる力を授けるよ。」
用語解説
ラグナロクの大予言
1999年7の月アンゴルモアの大王が空から降臨する。
その前後の期間神々は怒りだち世界は二つに分かれ
二つの『王』は世界を賭けた戦いに臨む。
最後には永遠の闇が全てを包み世界は滅ぶだろう。
この予言は世界が滅亡するタイミンングを予言しているものでこの占いは外れたが一部では、アンゴルモア帝国が世界を征服したことを世界は永久の闇に呑まれた、と表しているのではという意見もある。
果たしてこの占いは本当なのだろうか。そしてこの占いの『真実』とは。そしてこの占いの指し示す未来とは。




