第12話 失ったものを数えるより
“評価よろしくお願いします“!!!
魔王アビスが出現してから1日がたった。
アビス討伐作戦での戦死者1000名余りと町の人々の葬式が行われた。
クロコダイルもその中に含まれていた。
魔獣神もアビスの策略によって復活したからだ。
荒れ地と化した町を見て俺は憂鬱になった。
この町の復興会議にフォルテとテオフラトゥスは参加している。
驚いたのだがフォルテの役職である大陸魔法使いというのはこの大陸最強の魔法使いでこの大陸の守護をするというものだった。
フォルテって意外とすごいんだな。
それはそうと俺たちは一つ大きな問題がある。
幸い俺やテオフラトゥスに大きな怪我はないのだがアルテミスがあの魔法を放ってから目覚めないのだ。
勇者なら回復できるかもしれないと言われたが、勇者は仲間、そして故郷の人々を救えなかったショックでどこかへ行ってしまったらしい。。
無理もない、誰でも荒地になった故郷を見ればショックを受けるだろう。
それが自分が止められなかった魔族のせいだと余計に。
だが俺たちもクロコダイルという仲間を失った。
彼とは短い旅だったがそれでも良いやつだったし大切な仲間なのだ。
それと俺たちに仲間が一人加わった。
シャドーだ。
ピラミッドに封印されていたらしく
「俺が復活したことはバレると色々と面倒なことになる」、らしいのでシャドーのことは俺たちだけの秘密ということだ。
もちろんテオフラトゥスにもいってない。
普通に魔獣神と一緒に戦っていたがあの時はドタバタしてたし気付いてないはずだ。
というかシャドーはどこにいったのだろう探しにいってみよう。
俺はまず俺が訪ねたかった占い師宅の前に行ってみることにした。途中で俺たちがもっと早くここにだどりつけていたら救われる人は増えたのではないかと考えたが俺たちが遭難しなければテオフラトゥスは間違いなく倒されていたし、魔獣神が暴れ出しここら一帯は砂漠と化していただろう。
俺は占い師宅前の端に辿り着いた。
ここはオリンポス山頂上。
かつてここにはエルフの集落があった。
だが今は目新しい建物が建造されている。
その建物は魔王城に瓜二つだった。
少し小さめであるが・・・
しっかりとした造りの城が造られていた。
「ここが俺の新しい城だ。ここを拠点にして俺たちの理想の世界を創る。そのためにもまず邪魔な騎士たちを排除せねばならん。ペイン、例の情報は流したか?」アビスはもう魔王の風格が漂っていた。彼が真の王となるのも時間の問題だろう。
「情報は帝国側に流しておいたわ。奴らはこの地に新魔王城が建設されたと聞けば必ずあなた様を討伐しにここへ来るわ。そうやって誘き寄せてこの城で騎士たちに多大な損失を与える。それを私たちの輝かしい初陣にしましょう。そして私の仲間を殺した人類へ復讐する。」ペインはそう言って目の包帯をとった。彼女の瞳はルビーのように赤く輝いていた、その輝きは彼女の帝国そして人類への恨みを表しているようだった。
時を同じくしてアーサーは占い師宅前にいた。そこには勇者がいた。
「私は何も守れなかった。仲間も、町も、そして血の繋がっていない私を実の子供のように育ててくれたお父さんとお母さんも守れなかった。私はやっぱり勇者に向いてないのかな。師匠のような立派な勇者に私はなれない。」
勇者は泣いていた。
「でも君は生きてる。だから、守れなかったか人と同じだけ君が人を救うんだ。失った人を数えるよりまだ救える人を数えようよ。」俺はどう慰めて良いかわからなかった。でも俺はあの時アビスに命懸けで立ち向かった勇者が生きてる、それだけでたくさんの命を救ってくれると思った。
「ありがとう。私、頑張るわ。」
「名前は?」
「私の名前はストロベリー・ケイク。」この時俺はまだ知らなかったこの勇者の真実を。
用語解説
オリンポス山
この世界でもっと標高の高い山。この山の山頂にはエルフの集落があったが大戦中に帝国騎士軍によって滅ばされしまう。この山には何か不思議な力が眠っているとされている。この山では世界七不思議No.6『オリンポスの雪男』がいるという。この雪男の正体とは?




