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100分の2の青写真《ブループロット》〜不便な時代もいいとこあるじゃんっ!!〜  作者: 優月菜


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第八十八話 思い出ポロリ


金曜日。


建築・図学の講義が終わると祐希はさっさと帰って行ってしまった。

その後ろ姿を見て薫子は何故か泣きたくなった。


家に帰って薫子は、

改めて祐希に初めて声を掛けられた時のこと。

祐希と初めてお昼ご飯を食べた時のこと。

嘘をつかれたけど結局告白された時のこと。


照れ笑いする祐希の顔。

不意に近い位置で目が合って戸惑った時のこと。

無理矢理だったけどキスされて嬉しかった時のこと。

ハワイに行くと聞いて泣きながら怒った時のこと。

初めて見た祐希の泣き顔。

甘い雰囲気になったのにそれをぶち壊しにした時、慌ててた祐希のこと。


たくさんのことを思い出しながら、フレームに入れた祐希が毎日ハワイから送ってくれたハガキの成就院の風景画を眺めている。


固形炭酸王子(ドライアイスプリンス)に初めて女の子の名前覚えたって言われたっけ…初めて、初めて、初めて……口癖みたいに言うから混乱しちゃうんだし……あれから一週間か……私、あんな事言っておいてやっぱり琥原くんのこと好きなんだ……話せないのが辛い……怒ってるよね、先に帰っちゃった事』


それでも明日の稲垣助教授の講義の後、祐希に話しかけようと決心した薫子だった。


そして翌日、稲垣助教授教授の講義が始まる前、廊下を見回しながら移動する薫子。


ずっとつけてはいたものの服の中にしまってあった"王冠苺"のネックレスもさっき見れば分かるように外に出した。

今日の帰りに話があることを先に祐希に伝えておきたくて姿を探すも見当たらない。


途中、木元が

「どうした?あれ?今日の服オシャレじゃない?もしかして仲直りした?おデート?」

久しぶりだったが、いつものようにからかい混じりに声をかけてくれたので

「えーと、そのう、今日どうしても琥原くんと話をしたくて」

祐希を探していることは伝える。


「見つけたら、そう言っておくから」

と約束してくれた。

が、講義室に戻り、そろそろ講義が始まると言った時間になっても前の席は空いたままだった。


薫子は不安な気持ちになっていた。


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