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100分の2の青写真《ブループロット》〜不便な時代もいいとこあるじゃんっ!!〜  作者: 優月菜


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第八十七話 犬も食わないはずだったのに


そして後期が始まった。


「あれれ、あの二人どうしたの?」

「犬も食わないヤツじゃないの?」

「いや、多分今回はおおごとだ……口出ししない方がいいと思う」


草壁、香山、木元が遠巻きに薫子と祐希の方を見て話していた。


二人はそれぞれ自分の席に座って、最初の講義の準備をしていた。


そこへ鈴木がやって来て

「おはよう、カコちゃん!君はハワイに来なかったんだねぇ。祐希がバイトって言いながら遊んでんのかと思ったら、高級(ハイクラス)ホテルでフロントやってて驚いちゃったよ!」

「そうですか…」


「あれ?ご機嫌斜め?久々の再会で恋人ムード高まってないの?」

「……」

薫子は『フロントは本当だったんだ…』とは思うも、"初めて"とは思えないことを払拭出来なかった。


前方の三人が鈴木に

「おい、おい、鈴木!こっち、こっち」

声をかけると鈴木は

「何だよ」

と言いながら階段を降りて来た。


木元がまずは口を開く

「あのな、何があったか知らんけど、あの二人かなり険悪なムードなんだ…頼むから放っておいてやってくれ…」

「え?そうなの?だってカコちゃんへのプレゼントのために、わざわざハワイに出稼ぎに行ったんじゃなかったの?」

「のはずだったが、状況を聞けないほどの雰囲気だと思わないか?」


「え?じゃ今カコちゃんに手を出す絶好の好機(チャンス)じゃん!」

「おいバカが、相手にされてねぇだろーが」


「分かんないだろ、そんなこと……てか、そういえば今週末の体育の授業潰して、稲垣助教授が一年生に特別講義するって掲示板に張り出されてたぞ!」

「え、まじか?こんな時に……」


聞き耳を立てている訳ではなかった様だが誰ともなく、その鈴木が言った"稲垣助教授の特別講義"という文言に講義室中にさざなみの様に伝播して行った。


その後も相変わらず薫子と祐希は別行動だった。

祐希自身、いつもの三人と(つる)むことなく一人で動いている。


『仲良し四人組だったのに私のせいだよね』

薫子に対しては九十五人の男子学生は祐希と付き合う前の状態に戻ったが、前席の三人は祐希に遠慮してか近づいて来なかった。


それを見て薫子は胸が痛んだ。


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